1985年に公開されて、世界中で大ヒットとなった映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(以下『BTTF』)。ストーリーの面白さだけでなく、劇中に登場したホバーボートや、自動でひもが締まるスニーカーなどが実際に開発されるなど、現代のテクノロジーにも大きな影響を及ぼした痛快作である。

‟未来に戻る” なんていう粋なタイトルも最高な本作だが、なんと、超ダっさ~いタイトルが付けられるところだったというのだ! その証拠が発見され、ネットで大きな話題となっているので紹介したいと思う。

・『BTTF』のタイトルが気に入らなかった映画スタジオの重役

ハリウッドで撮影監督として活躍するウィル・マックラブさんが、当時のMCA社(現在のユニバーサル・スタジオ)に在籍していたシド・シャインバーグ氏が、スティーヴン・スピルバーグ監督に宛てた書類を発見したという。

1984年にタイプされた同書類は、『BTTF』の企画に関するもので、シャインバーグ氏は、「脚本の草稿は最高だが、タイトルがイマイチだから変更するべきだ」といった内容を綴っているのである。

・もう少しで『冥王星から来た宇宙人』と命名されるところだった!?

さらに、タイトルに不満を感じた彼は、「候補として、『Space Man From Pluto:冥王星から来た宇宙人』はどうだろうか」と、別のアイディアを提示しているのだ!

冥王星から来た宇宙人……。ダ、ダサすぎる!!!! なんだか、チープな作りのB級感がプンプン臭ってきそうなタイトルではないか! しかも、映画のストーリーには冥王星も宇宙人も登場しないし、なんともトンチンカンな命名っぷりである。

・ドク役はハエ男が演じるはずだった!?

そして、本作でタイムマシンを作ったドクの配役に関するメモも発見され、ナカナカ興味深い内容となっている。最終的にドクを演じたのは、白髪の爆発ヘアが印象的だったクリストファー・ロイドだが、映画『ザ・フライ』のハエ男として知られる、ジェフ・ゴールドブラムが最有力候補だったようだ。

その他には、『ゴーストバスターズ』のハロルド・ライミスや、『ビバリーヒルズ・コップ』のエディ・マーフィなど、50人近くの候補者が名を連ねている。かつて、映画の企画や配役は、こういった書類のやり取りで行われていたのかと分かると、作品を違う角度で楽しめそうである。

映画のタイトルは、作品の宣伝文句と同じ役割を果たしていると言っても過言ではない。もし、『BTTF』のタイトルが『冥王星から来た宇宙人』だったら、ここまでの世界的大ヒットにはならなかった可能性もありそうだ。

参照元:Facebook @Back to the Future、Twitter ‏@mccrabb_willMETRO(英語)
執筆:Nekolas

▼シャインバーグがスピルバーグ監督に宛てた書類

▼ドク役の俳優候補の名前が記載されたメモ

▼『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の予告編