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もうすぐ始まるリオデジャネイロ・オリンピックだが、今大会で初めて難民選手団が結成されたことでも注目が集まっている。そしてこの度、ある団体も1つのゲームの力を借りて難民問題に光を当てる試みを行った。今人気の『ポケモンGO』だ。

難民キャンプに『ポケモンGO』を持っていき、そこに暮らす人々に遊んでもらったというのである。さて、人々はどのような反応を見せたのだろうか?

・「ジャングル」と呼ばれる難民キャンプで『ポケモンGO』

今回、難民キャンプに『ポケモンGO』を持っていったのは、難民支援を行っている団体 The Worldwide Tribe 。舞台はフランス北部カレー郊外に位置し、通称「ジャングル」と呼ばれている大規模な難民キャンプだ。

・ポケモンを前にみんな笑顔に「素晴らしいゲームだ」

その様子は、団体の Facebook動画で確認することができるのだが、まずスタッフが若者たちの前で『ポケモンGO』をプレイしてみせる。するとみんな、小さなスマホの画面をジッと見つめ興味津々。「やってみる?」と問いかけられると、すぐさま「やってみたい」との返事が飛んできた。そしてヒトカゲをゲットし、嬉しそうな歓声が上がる。

他にもモンスターボールの投げ方を学んだり、キャラクターを選んだりして、みんなで楽しくゲームをプレイ。「俺の勝ちだ」「鳥のモンスターだ!」「素晴らしいゲームだね」などと、スマホを見つめながら誰もが笑顔になっているのが印象的だ。

・「ここにはポケモンはいない」という現実も

しかしゲームを離れれば、そこには現実が待っている。難民たちは、ゲームを楽しみつつも、自分たちを取り巻く現実についてポツリポツリと話していく。

「ここにはポケモンはいないよ。ジャングルだから、たくさんのネズミが出るだけなんだ」「ここでは楽しみが全くない。本を読むか、自転車に乗るだけだ」。

再生時間約2分と短いが、『ポケモンGO』を楽しむ難民の姿と、彼らの生の言葉に触れることができるこの動画。最後は「ポケモンが国境を越えられるなら、難民だって超えられるはず」という言葉で締めくくられている。

ちなみに The Worldwide Tribe は2015年からこの難民キャンプの支援を行っており、サッカーのトーナメントを開催したり、インターネットの導入を試みたりしているそうだ。

参照元:Metro(英語)、Facebook
執筆:小千谷サチ

▼ポケモンたちを前にして、みんな楽しそう!