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「その人の適性や能力に応じて、それにふさわしい地位・仕事に就かせること」という意味を持つ、適材適所。今回は、そんな適材適所がとても上手くいった例をご紹介したい。

米シカゴではネズミの被害が急増しているらしい。その背景には、古くなった大きな建物が取り壊され、多くのネズミが近隣の建物に引っ越してくるなどの理由が挙げられるという。そんな状況を解決する “適材” といえば、そう、ネコ様だ!

・ネズミ被害が深刻な米シカゴ

ある害虫駆除企業から、何年にも渡って「アメリカで最もネズミが多い街」に選ばれてきたシカゴ。2016年ネズミ被害も引き続き深刻なようで、自宅の庭に400匹ものネズミを見つけてしまった女性もいるのだとか……。

そしてビール醸造会社『Empirical Brewing』にもネズミが出現した。従業員が作業をしているときに、巨大なネズミを目撃してしまったのだ。ビールの原料が食べられるのは本当に困る!

・ネズミに悩むビール醸造会社が、ネコの手を借りる!

同会社があらゆるネズミ駆除方法を試しても、一向に問題解決には至らなかったそう。そこで彼らは新たな従業員を起用することにした。ネズミ問題のエキスパート、ネコだ。

地元の動物保護団体『Tree House Humane Society』から4匹のネコを引き取り、醸造所の中を自由にパトロールしてもらったところ、効果は抜群! ネコを怖がったネズミは、建物から姿を消したというではないか! 従業員からも「自然な方法なところも良いし、何よりカワイイよね」と評価は上々のようだ。もちろんネコたちはキチンとお世話されているという。

・人間になつかない元野良ネコを積極的に “雇用”

ちなみにこの4匹は元野良ネコで、人間に触られるのがあまり好きではない模様。しかしだからこそ、広い敷地と、人とあまり触れ合わないですむ環境があっていると考えられている。醸造所での仕事っぷりが収められた動画などを見ていると、ネコたちがの〜びのびと職場を楽しんでいることが分かる。

彼らのように、“一般的な飼いネコ” には向いていないネコたちをネズミ捕りのエキスパートとして、ネズミ問題に悩む地元の企業や家に紹介しているのが『Tree House Humane Society』の「Cats at Work」プログラムだ。

元野良ネコの中には、その性格から新しい家族に貰われにくいケースもあるそう。けれどもプログラムのおかげで、そんなネコたちも “新たな居場所” を手に入れることが出来るのだった。

現在シカゴでは、約500匹のネコたちがネズミを捕まえるために “雇用” されていると伝えられている。ネコには快適な居場所が出来て、人間はネズミ被害に悩まなくて済む。これぞ、ウィンウィンの関係だ!

参照元:Empirical BreweryChicagoinnoKTVQ.comCBS Chicago(英語)、Facebookコトバンク
執筆:小千谷サチ

▼ネコたちの働く姿が見られるよ!

▼気持ちよさそう

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