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なんでも今日7月20日は「Tシャツの日」らしい。制定したのは愛知県のファッション企業とのことであるが、そんなことはどうでもいい。それよりなにより、この世にTシャツを作り出す世界中の様々なメーカーに対し、私はひとつ物申したいことがある。

それは、「Tシャツは絵柄だけではなく、シルエットにもこだわってほしい」ということだ。いろいろな体型はあると思うが、Tシャツを着た時、体のラインが最もキレイに見える “シルエット” を意識して、Tシャツそのもののカタチを作って欲しいのだ。

・絵柄は最高なんだけどカタチがダサい

たとえば「うおお! 超かっこいいプリントのTシャツを発見ーッ!!」と、興奮気味に購入したとする。私(羽鳥)はヤセ型なので、サイズは「S」だ。ワクワクしながらTシャツに袖を通す。……ウン、サイズ的にはSでバッチリ。だがしかし──

なんかシルエットがドン臭い! せっかくカッコイイ柄なのに、Tシャツそのものの “カタチ” がダサいからダサく見える! ショボボ〜ン……。

──という悲劇が、たまにあるのだ。当然、それらのTシャツはパジャマ決定。そこそこの値段で購入したTシャツだと本当にガックシ。そして、「絵柄は良いのにカタチがダサいから、もうここでは買わない!」となってしまうのだ。ああ、もったいない。
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・Tシャツはギャンブル

よく汗をかく体の上半身に直接ふれるTシャツを、試着するのは気が引ける。よって、お店で買うときは “体にあわせて” 判断するしかないのだが、やはり究極のシルエットを求めるならば、実際に着てみないと分からないので、購入時は常に “賭け”だ。

体にあわせることすらできないネット通販になると、さらにギャンブル性は高まる。ユーザーが作ったデザインを選んで、Tシャツのサイズや形状も選んで、プリントされたモノが送られてくる……なんてショップも多数あるが、それもまたイチかバチかの大勝負。すべてのキモは「どんな形のTシャツに印刷するのか」にかかっているからだ。
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・アメリカのTシャツは実に良い

あくまで私が経験した上での印象だが、アメリカで購入したTシャツは、たいていナイスなシルエットをしていることが多い。別にブランド品ではないし、安価なのに、“柄だけでなく、シルエットにこだわってるなァ” と思わせてくれるTシャツが実に多い。

私が感じるアメリカTシャツの良い点は、“腰あたりのシルエットが非常に美しい” ということ。Tシャツ着用時の姿を、横や後ろから見た時、腰が “くびれている” ように見えるのだ。逆に、ダサいシルエットは “ストーン” と、そのまま落ちている。
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・シルエットが最高ならリピーターになる

しかし、そんな米国といえど、やはり「ユーザーデザイン印刷系のネット通販」になると油断はできない。サイズは同じ「S」であっても、実際に袖を通してみるまで、「最高」なのか「そこそこ」なのか「クソすぎる」のかは分からない。いつもドキドキだ。

もちろん、結果的にシルエットが「クソ」だったら、私は二度とそのショップを利用しない。しかし逆に「最高」であれば、少し価格が高くてもリピートして利用する。こういう人もいるのだから、絵柄を転写する「キャンバス」にも、こだわってほしいのだ。

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・なぜダサいシルエットのTシャツが生まれるのか

そういえば、ファッション業界に生きる人から「なぜシルエットがダサいTシャツが生まれるのか」という話を聞いたことがある。美しいシルエットにこだわると、“たとえサイズが同じでも、そのシルエットに合わない体型のお客さん” が買わなくなる。それゆえ “どんな人にも合う万能型シルエット” が作られるのだと。商売のためだ。

それも確かに大切だ。でも、Tシャツを作り出す世界中の様々なメーカー様には、もう少し、耳をすまして聞いてほしい。絵柄だけではなく、シルエットも大切なのよ、と。

柄に恋して “着てみたい!” と思ったTシャツだからこそ、着た時もTシャツそのものに恋し続けたい。だから絶対に忘れないで。『耳をすませば』で有名な漫画家・柊あおい先生の『星の瞳のシルエット』ならぬ、「腰のくびれのシルエット」のことを。

イラスト: マミヤ狂四郎
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.