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本日7月17日はマンガの日! この日は、1841年にイギリスの週刊風刺マンガ雑誌『パンチ』が創刊されたことを記念して定められたそうだ。それから175年、マンガ文化は今まさに花開いたと言ってもいいのではないだろうか?

時に笑い、時に泣き、ハッとするようなセリフで大事なことを教えてくれる……私(中澤)はそんなマンガが大好きだ! 今回は、マンガの日の特別企画として、ロケットニュース24の記者が「これを読まなきゃ人生損してる!」と激推しする1冊をまとめて紹介しよう。私たちが大事なことを教わったマンガはこれだ!!

・P.K.サンジュンの1冊『キングダム』(著:原泰久)

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さいとう・たかを先生の『サバイバル』、坂田信弘・中原裕両先生による『奈緒子』も傑作だが、連載中の作品なら原泰久先生の『キングダム』が断トツでオススメ。歴史という変えようのない事実を、原先生流に落とし込む技術がとにかく素晴らしい。キングダムの存在を知らないならともかく、知ってて読まない人の気持ちが理解できない。バハアアァァァアアア! 絶対に読むのじゃ!!(ヒョウ公風)

・中澤星児の1冊『げんしけん』(著:木尾 士目)

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私は現在連載しているコミックに絞って選んでみた。ヌルいオタクが集まるサークル「げんしけん」の活動の日々を描いたこの作品。「生きる」も「死ぬ」もない、何者にも染まれない中途半端な青春はとにかく「あるある」の連続だ。

そんな中で描かれる苦しみとヌルい安心感にいつしか自分を重ねてしまう。「中途半端な青春」というワードにピンとくる人はぜひ! これは遠い世界の話ではなく私たちの話である。

・小千谷サチの1冊『レタスバーガープリーズ.OK,OK!』(著:松田奈緒子)

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『重版出来』大ヒット中の松田奈緒子先生だが、彼女の作品を語る上で『レタスバーガープリーズ.OK,OK!』を欠かすことは出来ないだろう。江戸好きの歴史作家綾とカッコいいイラストレーター稲造の恋愛を中心に、様々な人間模様が描かれていく。

基本はコミカル、でもよ~く読むとシリアス。松田先生の描く流れが心地よく、たまに無性に読みたくなるし、何度読んでも飽きない。このマンガを教えてくれた10年くらい前の anan に感謝したい。

・K.ナガハシの1冊『同じ月を見ている』(著:土田世紀)

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惜しくも43歳という若さで亡くなった土田世紀先生の代表作。ドンちゃん、鉄矢、エミという3人の若者に、ある日人生を変える衝撃の事件が起こる。目まぐるしいストーリー展開と感動のラストは必見だ。青春ものでもなく、ファンタジーでもない人間の生々しさを独特のタッチで描いたドラマ作品。一気に読むのに丁度良い全7巻。

・原田たかしの1冊『天 天和通りの快男児』 (著:福本伸行)

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『カイジ』や『アカギ』などで有名な福本伸行先生の漫画の中でも、特に神ってるのが『天』。生きるとはどういうことなのか。人生のバイブルが、この漫画に詰まっている。

・りょうの1冊『嘘喰い』(著:迫稔雄)

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オススメは迫稔雄先生の『嘘喰い』。いわゆるギャンブル漫画だが、この作品はその先にある暴力も見所の一つ。賭け事で負けても、力でねじ伏せれば勝負は無効、まさに問答無用のリアルファイトである。運と力、そして財力の全てを兼ね備えた者だけが挑める「屋形越え」を目指し、闘いの火蓋が切って落とされる!!

・K.Masamiの1冊『百鬼夜行抄』(著:今市子)

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今や世界中どこにいても、スマホがあれば多少の困難は乗り切れる便利な時代になった。確かにそれは効率的で良いことだが、ふと物足りなくなる瞬間はないだろうか。

そんな時には、今市子先生の『百鬼夜行抄』を読んでほしい。この世は不便であり、不思議なことに満ちていると思い出させてくれる一冊だ。魑魅魍魎(ちみもうりょう)と人とが共存する怪しい世界感に、あなたも取り憑かれること間違いなしだぞ!

・佐藤英典の1冊『僕といっしょ』(著:古谷実)

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『行け!稲中卓球部』で鮮烈なデビューを果たした、古谷実先生の2作目。鋭い人間洞察にただただ驚かされる。ギャグ漫画でありながら、人間の弱さや醜さを冷たい眼差しで暴いている。

3巻に登場する「元シャチの飼育員の五反田さんの下り」は、滑稽でありながらも笑い飛ばすことのできない悲哀に満ちており、誰もが1度や2度は経験したであろう挫折感を漂わせている。パイ夫の絶叫は魂の叫びだ。すぐ夫とイトキンの精一杯の笑顔が、マイ~~ンになってしまうところに、感動すら覚える。

・和才雄一郎の1冊『中間管理録 トネガワ』(原作:萩原天晴 / 漫画:橋本智広、三好智樹 / 協力:福本伸行)

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カイジのスピンオフ作品。この作品を読む前に、まずはカイジシリーズに目を通すのがオススメだ。読んだことがある人も再読した方がいい。そして帝愛グループのイメージをしっかりと頭に刻み込み、兵藤会長の暴君っぷりに完全に引いたところで『中間管理録 トネガワ』を読むと……。本作のカイジは前振りだったのか? と思うほど、落差がパない。

・あひるねこの1冊『AKIRA』(著:大友克洋)

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『AKIRA』といえばアニメが超有名だが、原作はその数倍面白いので全人類必読。『風の谷のナウシカ』と同じく、映画の後のストーリーからが本編と言っていいだろう。

特に絵のカッコよさは神懸かっており、全コマ額に入れて飾りたいくらいだ。3巻のラストなんか、スゴすぎて最初読んだとき笑ってしまったもんな。本のデザインもクールで最高。加えて名ゼリフ量産主人公・金田のカッコよさもハンパではないぞ。俺達ァ健康優良不良少年だぜ!

・砂子間正貫の1冊『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(著:秋本治)

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私のオススメは秋本治先生の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。小学校の時に通っていた床屋さんの本棚にズラッと並んでいた「こち亀」を読みながら髪を切ってもらうのが、私の毎月の楽しみだった。特に好きなエピソードは、第59巻の「お化け煙突が消えた日」と第76巻の「ゴキブリ大行進」

・DEBUNEKOの1冊『ベルセルク』(著:三浦建太郎)

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無骨な男ガッツと、カリスマ性を備えた美しき男グリフィス。影と光のように真逆な二人が出会い、惹かれ合い、そして──。男の友情とロマンを描いた物語は、二人の決定的なすれ違いを機に世界を混沌へと導いてゆく……というダークファンタジーに姿を変える。

ストーリーも画もとにかく秀逸、そしてカッコイイ! この作品の完結を見ずして絶対死ねない! と思わせてくれる漫画。いきなり裸が出てくるのも一興。電車で読む際は注意しよう。

・沢井メグの1冊『火の鳥』(著:手塚治虫)

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不老不死の存在「火の鳥」を軸に、時代や場所を変えながらも、生と死をめぐる人間の本質などなど手塚先生独特の世界観をもって描かれた神作。壮大さに、ただただ圧倒される。

初めて読んだのは幼稚園くらいのときで、以来25年以上に渡って何度も読んでいるが、いつ読んでも夢中になる。ここ数年は『望郷編』と『未来編』『復活編』が好き。年齢や精神状態によって感じるものは異なると思うが、大人も子供も読める作品だ

・GO羽鳥の1冊『ゴルゴ13』(著:さいとう・たかを)

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過去に書いた記事では、岡田あーみん先生の『お父さんは心配症』を推したけど、やはり人生で最も影響を受けた漫画は、さいとう・たかを先生の『ゴルゴ13』かも。男としての生き方、プロとしての生き方は、ほとんどデューク東郷から学んだといっても過言ではない。

──以上である! 気になるマンガはあっただろうか? もし、少しでも引っかかった1冊があったなら、マンガの日の本日ぜひ読んでみてくれよな。素敵な出会いとなることを祈っている。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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