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2016年の春ドラマは豊作でしたね! 見応えのある作品ばかりでした(例外もありましたが、炎上が怖いので伏せておきます)。筆者は、『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS系)にハマッていました。ハマッていたというか、会う人、会う人に「美佳子先生(筆者の名です)にそっくりなドラマがやっていますね」と、3カ月間言われ続けたため、観ずにはいられなかったという事情ですが……。今回は、春ドラマに感化された男性からのご相談です。

・ご相談内容(モチヅキコウヘイさん・38歳)

「僕はあまりドラマにハマるタイプではなかったのですが、2016年春のドラマは、なかなか面白くて、欠かさず見ていました。特にヤバ妻(『僕のヤバイ妻』フジテレビ系)と、セカムズ(『世界で一番難しい恋』日本テレビ系)にハマりました。

両方の作品に共通することだったのですが、男のダメさが如実にあらわれていた気がします。「男の可愛らしさ」なんて甘い言葉では済まされないくらい、ダメダメな男たち。でも、なぜか面白いと思ったし、時に魅力的とさえ感じました。

ひょっとして、最近はダメ男の時代が来ているのではないでしょうか? キチンとできる男よりも、ダメな男がモテたりするのでしょうか? 最近の女性の心理について、教えてください」

・二大「ダメ男」ドラマ

『ヤバ妻』のダメ男とは、おそらく伊藤英明さんが演じた望月幸平を指しているのでしょう。妻が持つ莫大な資産でカフェを経営しているため、別れるに別れられない役どころ……。確かに、絵に描いたようなダメ男ですよね。

『セカムズ』のダメ男は、嵐の大野智さんが演じた鮫島零治のことですね。34歳にもなって恋愛経験がほとんどなく、女性を喜ばせる才能が1ミリもない役どころ……。はい、正真正銘のダメ男と断言できるでしょう。

・ダメ男の時代キターッ!?

「ひょっとしてダメンズの時代が来ているのではないでしょうか?」とのご質問ですが、「ある意味来ているかもしれませんね」という答え方になります。筆者も、『ヤバ妻』、『セカムズ』は観ていましたが、確かに「もぉ~、ダメ男なんだからぁ~」と胸キュンした瞬間はありましたよ。

しかし、冷静になると、「伊藤英明さんや大野クンが演じているから許せるのであって、こんな野郎が現実身近にいたら、絶対に無理だ!」という、相反する感情も湧いてきたのです。なんだかんだで女性は、『セカムズ』で北村一輝さんが演じた和田のような、エスコート上手なジェントルマンを求めています。

・単なる「諦め」と「妥協」

とは言え、『セカムズ』の和田を彷彿とさせる、エスコート上手なジェントルマンなんぞ、現実には滅多にいないのです。現実は、『ヤバ妻』の望月幸平や、『セカムズ』の鮫島零治のようなダメ男の方が、圧倒的に多いのです。この春の二大「ダメ男ドラマ」は、一般女性たちの「エスコート上手なジェントルマンなんぞ滅多にいないから、ダメ男で手を打つか……」という、諦めやら妥協やら、そういった感情が反映されていたのでしょう。

世の中の情勢は、刻一刻と変化していきます。いまの段階では、「ダメ男で妥協するか」というモードの女性たちも、数カ月後には「むしろダメ男、たまらん!」とシフトチェンジしているかもしれません。ドラマは、時代を写す鏡のようなもの。夏以降、秋から冬にかけて、どのようなドラマが流行るのか、いまから楽しみですね。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子
イラスト:Rocketnews24

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