本日6月18日は『海外移住の日』だ。平成27年の統計では、留学や転勤、国際結婚などで海を渡った(3カ月以上海外に在留している)日本人が130万人を超えたという。かくいう筆者も、地球で一番暑い国と言われているジブチで生活をして3カ月が経った。

日中の気温が40度を軽く超え、蛇口をひねれば温かい塩水が出るジブチライフは、頭が爆発しそうなほど過酷である。きっと同じように、海の向こうの新天地に期待したものの、慣れない生活環境に悪戦苦闘している海外移住者は多いだろう。今回は、筆者が過酷なアフリカ生活の中に癒しを求めた末、偶然たどり着いた一軒の中華レストランを紹介したい。

・暑すぎて蚊がいない国

「ホット」と「ベリーホット」しかないジブチ。外務省サイトでは、世界最高気温の71.5度を記録した酷暑の地として紹介されている。あまりの暑さに蚊も逃げ出すレベルで、気温が30度くらいになると、現地人が「今日は肌寒いですね」というのが鉄板ジブチギャグだ。
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・中華レストラン『上海』

そんな灼熱の地で発見したのが中華レストラン『上海』である。砂っぽいゴミだらけの街中で、筆者はただただ紙を食べているヤギの姿を眺めていたのだが……目線をずらすと、そこには怪しげなレストラン。紙を食べるヤギを見て腹が減っていたし、思いきって入店してみることにした。

・ラーメンを食べたい

どうやら客は筆者だけのようだ。とりあえず、中国人と思われる店主に、ジェスチャーを交えながら「ラーメン!」と声をかけてみたのだが、全く通じていない……。おいおい、中国語で「ラーメン」は「ラーメン」じゃないのかよ。

とにかくジェスチャーのクオリティを高め、中国人風に「ラォミン!」や「ロォゥメン!」と何度も注文をトライしてみるが店主は首をかしげたまま。「もうラーメンが無理ならチャーハンに切り替えるか……」と思ったその時! 店主が筆者のジェスチャーを真似ながら、「ヌードルのことだな?」と言ってくれたのだ……だがしかし!

・やってきたのは「焼きそば」

あまり待つことなく、テーブルには「焼きそば」がやってきた。ここで文句を言っても、おそらくラーメンを食べることはできないだろう。腹も減っているし、焼きそばも見た目はまあまあ美味しそうだ。

さっそく食べてみると……おい、これマジで超ウメェェェエエエ!! マジかよマジかよ。見た目以上に濃厚なソース味が筆者の食欲をMAXまで引き上げ、紙を食べるヤギのように、皿まで丸ごと食べる勢いであっという間に完食してしまった。麺は短くて食べづらかったが、ソースが抜群に美味かったのだ。

1700ジブチフラン(約1000円)を気持ちよく払って店を出ると、外ではまだヤギが紙を食べていた。そうか、ここはジブチなのだ。

・焼きそば気分になったはずだ

いかがだっただろうか。きっと多くの海外移住者は、小学生の頃のように発見だらけの毎日を送っていることだろう。皆さんも、そんな海の向こうの暮らしを思い浮かべながら、ぜひ今日は焼きそばを食べていただきたい。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 Restaurant Shanghai Djibouti
住所 Djibuti aviation BP 3476
時間 昼11:00~14:00 夜17:00~23:00

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼中華レストラン『上海』

▼入口

▼店内はまさに中華レストランだ

▼テーブル

▼焼きそば

▼間違いなく絶品である

▼ヤギが紙を食べている