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米国では、コロラド州をはじめとする4州で嗜好用大麻が解禁され、医療用大麻に至っては、51州のうち24州で合法となっている。

対して、ヘロインやメタンフェタミンなどの覚醒剤取り締まりは厳しいが、ある町で「ヘロインの使用を許可することで、状況を改善させていこう」との動きが強まっているというのだ。その理由が的を得ている点もあるだけに、考えさせられてしまうのである。

・「ヘロイン使用の許可を働きかける町」が登場!

米ニューヨーク州中部に位置する町イサカは、美しい自然に囲まれ、「全米で最も賢い町」に選ばれたこともある失業率が低い町だ。だが、2005年より覚醒剤の過剰摂取による死亡者が増え続け、2016年の春にはたった1カ月で、4人もの住人がドラッグにより命を落としたのである。

そこで、スヴァンテ・マイリック市長が、安全かつ清潔な環境で麻薬依存者がヘロインを打てる施設を提供することで、状況を改善しようとしているのだ。これは、全米でも前例を見ない試みだという。

・依存者の麻薬使用を管理することで感染病や死を防ぐ目的

見方によっては、依存者の麻薬使用を推奨しているようにも思えてしまう。だが、管理された施設で清潔な注射針を依存者に提供することで、汚染針によるHIVやC型肝炎の感染を防げるという利点がある。また、施設で過剰摂取の症状が出れば、看護師と医師により、その場で治療が施されるため死を免れることができる。

依存症者が管理下のもとで麻薬を打てる施設は、1986年にスイスのバーンで初めて開設されており、続いてカナダとオーストラリアでもオープンしている。

・施設利用者は更生する確率が高いとの統計

医療ソーシャルワーカーが常駐する環境では、依存症治療について相談したり指導を受けることも可能だ。その結果、施設利用者の30パーセントが、自らの意志でリハビリ施設に入り更生しているとの統計も出ている。

現在、イサカの施設は州政府からの認可待ちの状態だが、「ヘロイン使用を許可することで麻薬と闘う」姿勢は、賛否両論を巻き起こしそうである。

施設が市民の税金で運営されるのなら、血税が麻薬に使われることに反対する人も多いだろう。自由に麻薬にアクセスできる環境を、悪用する依存者が出てくる可能性も否めないため、ヘロイン使用施設を開設するには、解決しなければいけない問題がたくさんありそうだ。

参照元:Facebook @CNN PoliticsThe New York Times(英語)
執筆:Nekolas

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