乗り鉄、撮り鉄、音鉄! 「電車好きに悪い人はいない!」……と言いたいところだが、いまある鉄道がモラルなき鉄道ファンに対し公式に苦言を発し、注目を集めている。「もう来ないで」とまで言っているのだ。

公式にここまで言わせるとは、一体何が起きたのだろうか。

・真岡鉄道がマナーの悪い撮り鉄に苦言

異例の苦言を呈したのは、茨城の下館駅と栃木・茂木駅を結ぶ「真岡鉄道(真岡鐵道:もおかてつどう)」だ。土日にはSLも運行し、毎週、全国から多くの鉄道ファンが集まることで知られている。いまは桜も咲き、見学や撮影には絶好の季節だ。

そんな真岡鉄道が、2016年4月10日、公式Facebookにこのような投稿をし、注目を集めている。

「土日は桜も満開となり、こちら北真岡 第二駒塚踏み切り付近はかなりの撮影者でした。

写真は先週、鎖で三脚、脚立が結ばれていた所です。どう感じますか? 踏みつけられた菜の花。何を撮影したいのですか?」

コメントと共に投稿された画像には、無残に踏み荒らされた菜の花畑が映し出されていた。この花は地元の方が植えたものだったという。

・素晴らしさを感じてほしい、でも……

Facebookの投稿によると、以前も撮影者が敷地に入り込むということもあったようだ。これまでは「グレーゾン」ということで対応していたとのことだが、今後は警察と協力し対応せざるをえない、とまで警告している。

ただ、真岡鉄道も「たくさんの方にお越し頂き、実際に素晴らしさを感じて頂きたい」という思いがあるそう。しかし、

「この投稿を見て、もしも該当するような事をされてしまった方がいらっしゃいましたら今後はそのような事を絶対にしないでください。関係無い、今迄通り好き勝手やる、そう思った方はもう来ないで下さい。」

と、強く述べているのだった。おだやかな口調でありながら、そのコメントは怒りと悲しみに満ちていると思うのは私だけだろうか。

・ネットユーザーからは批判の声

この異例とも言える投稿は、ネットユーザーの間で反響を呼び、以下のコメントが寄せられている。

「ひどい」
「マジクズ」
「写真撮る人の最低限マナーとしてこういう事はするなよ…」
「撮り鉄以前に人としてどうなの」
「ここまでして撮りたいものって何なの?」

また鉄道ファンからも、

「これは、もう同じ鉄道ファンとして恥ずかしい」
「同じ撮り鉄として許せない」
「マナーを守らない撮り鉄のせいで撮り鉄の民度を下げられてるよね…。」

など、マナーを守らない撮り鉄に対する批判的なコメントが目立つ。マナーを守る鉄道ファンだって多いわけで、今回、問題視されているのは一部の心なき人の行動だ。しかし、それがあまりにもひどすぎた。このような迷惑行為が行われているのは、真岡鉄道だけではないはず。今後、他の鉄道会社からも同様の警告、もしくは撮影禁止になる可能性だってある。

なお、Facebookでの反響を受け、真岡鉄道は

「沿線の撮影スポットが、模範的な撮影スポットになるよう、関係各所と協議しながら安全かつトラブルが起こらない真岡鐵道目指し取り組んでまいります。」

としているが、やはり配慮が必要なのは撮影者側ではないだろうか? モラルなき行動は、結局、みずからの首を絞めるのと同じだ。今後もファンによる撮影が許されるかどうかは、ファン自身のマナーにかかっていると言えるだろう。

参照元: Facebook 真岡鐵道真岡鐵道公式サイト
執筆:沢井メグ

▼こちらで真岡鉄道のコメント全文を読むことができる

▼今後も、このような美しい景色を楽しめるかどうかは、ファンのマナーにかかっていると言えるだろう