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2016年2月現在、まだ世界の難民問題は解決していないままだ。私たちにも何か出来ることはないか? 改めて考えなければならないだろう。今回お伝えするのは、人々の「自分にも出来ることがあるはず」という気持ちが生んだ “奇跡のストーリー” だ。

ある難民の家族がイラクからヨーロッパに渡る途中で、一緒に連れてきた飼いネコとはぐれてしまったのだとか。しかし人々が力を集結し、家族とネコの再会を実現させたというではないか! 一体どうやって? 詳細をお伝えしたい。

・2015年11月、難民の家族とネコがはぐれてしまう

シリアやアフガニスタン、イラクなどの難民を乗せたボートが到着する、ギリシャのレスボス島。2015年11月には、10万人もの難民がこの島にやって来たと見られている。その中にいたのが、イラクからやって来たお母さんと5人の子供、そして1匹の白ネコの家族。

しかし慣れない環境にパニックになったネコはボートが島に到着するや否や、飛び出して一目散にどこかに逃げ込んでしまったという。多くの難民で混乱する現場で、家族は何時間もかけてネコを探したものの、発見出来ずそのままギリシャを去ることに……。

・1人のボランティアがネコを発見

ところが数日後、難民を支援するボランティア活動を行っていたアメリカ人のアシュレイ・アンダーソンさんが、現場の近くのカフェで1匹のお腹をすかせた白ネコを発見。そう、家族と離ればなれになってしまった、あのニャンコを見つけたのである!

海外メディア『The Dodo』のインタビューに対して「難民ボートに乗るためには多額のお金を支払わなければなりません。家族にとって、このネコはとても大切な存在なんでしょうね」と話すアンダーソンさんは、友人のエイミー・シュローズさんと協力して、ネコを家族に再会させようと決心したのだった。

・ディアスと名付けられたネコは、ベルリンへ

家族がヨーロッパのどの国に移動していったのかは、全く分からない。その上、「こんな状況でネコのために時間を割くなんて」とアンダーソンさんたちの行動を批判する人もいたそうだ。けれども彼女たちは諦めず、ディアスと名付けたネコの健康診断や去勢を行った上で、動物用パスポートを手配。

その後アンダーソンさんがギリシャを離れるのをきっかけに、ディアスも難民の多いドイツのベルリンに飛び、里親さんの元で暮らしながら、家族を探し続けることになった。

ここでアンダーソンさんは、ネットの力でディアスの家族の捜索を開始。 Facebook にページを作ってディアスのことを広く発信したところ、メディアにも取り上げられ、多くの注目が集まった。

・離ればなれになって4カ月後……ついに再会を果たす!

すると……2016年2月14日、Facebook 経由でディアスの家族から連絡が! なんと家族はノルウェーで暮らしており、ディアスのことを知って、近所の人の助けを得てネットにアクセスしたというのだ!!

すぐに家族、アンダーソンさん、シュローズさん、ディアスと里親さんが Skype 上で顔をあわせ喜びを分かち合ったという。

・アンダーソンさん「自分にも出来ることあるはず」

そして2月19日に、家族の待つノルウェーに到着し、家族と涙の再会を果たしたディアス。海外メディア『The Guardian』が、その瞬間を撮影し、動画として公開したところ大きな反響が寄せられることに。「たくさんの人の力で、ネコと家族が再会したんだね」「涙が出る」「ネコだって家族なんだよ」など多くの感動の声が集まっている。

「不可能なことはない。自分にも出来ることあるはず」と家族の捜索を決心したというアンダーソンさん。このような状況に直面すれば、無理だと考えてしまう人も多いかもしれない。でも彼女はそこで諦めず、今回の奇跡とも呼べる再会を実現させたのだった。

参照元:The Dodo[1][2](英語)、 Facebook
執筆:小千谷サチ

▼The Guardian がまとめた涙不可避の動画がこれだ!

▼たくさんの人の力を借りて、ドイツへ旅立ったディアス

▼ドイツのベルリンでは、里親さんの元で暮らしていたディアス

▼家族の再会のシーンを、アンダーソンさんたちも Skype 経由で見守っていたとのこと

▼多くの人の助けに感謝!