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最近若い人の間で、「写ルンです」がひそかに流行っているらしい。昭和丸出しの世代には、説明する必要がないだろう。平成世代のために説明すると、これは富士フイルムの使い捨てレンズ付きフィルムである。近頃はほとんどの人が写真をスマホで撮影すると思うが、昔はこの商品が主流だった。

私(佐藤)もカメラは高価で購入することができなかったので、写ルンですをしょっちゅう使っていた。最近その価値が見直されて、販売が伸びているという。好む人たちは、「フィルムのボケ感がいい」とか「温かみがある」とか言うそうだ。そうなのか? ということで、久々に撮影してみたところ……。全然まともに撮れへんやないか!

・手巻きが懐かしい

写ルンですは本体にフィルムが入っている。それを撮影するごとに手で巻かなければいけない。約20年ぶりくらいで使ってみると、その巻く動作さえも懐かしく感じる。実際に撮影してみて、本当のボケ感や温かみを感じることができるのか試すために、iPhone5sと撮った画像を比較することにした。

・物撮り

おそらく多くの人が知らないかもしれないが、現像は最短で40分程度。同時にデジタルデータにしてCD-Rに焼いてくれるサービスもあるので、スキャナーで読む必要もない。まず最初に物撮りを比較してみよう。コンビニで買ってきたケーキを、iPhone・写ルンですでそれぞれ撮影してみた。まずはiPhone。

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まあ、いつも通りというか、安心して撮影できるというか。いまさら言うまでもないが、撮ったその場で画像を確認できるのも、スマホの利点。一方写ルンですは……。

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・人物撮り

あれ? 全然ちゃんと撮れてない……。どうしてこうなった? 現像に出すまで、どう写っているかわからないところが、写ルンですの面白いところだけど、ここまで撮れていないとは……。ボケ感がイイとか言ってるレベルじゃねえ。次に人物。

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こちらもいつも通り。iPhoneでは、目で見たままが撮れているといっても良いくらいである。一方写ルンですは……。

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ジャギジャギになってもうた……。これでいいのか? これは部屋が暗いということなのか? 味があるとか言えるレベルじゃないぞ。これがイイのか? 温かみがある感じなのか、コレ? これはもしや、外に出た方が良いのかも。と思い、近所の路地へ。

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・戸外へ

暗いのか明るいのかわからないけど、ウマく撮れれば味が出そうな場所を選んでみた。もういい加減、ちゃんと撮れてもいいはずなんだけど。写ルンですで撮ると……。

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お! これはなんかイイ感じになったよ! 平成の世にあって、昭和の雰囲気がプンプン漂ってる感じ。こういう場所を撮れば良いのか! ルールがわかってきたよ~!! ということで、レトロな雰囲気を求めて、秋葉原の万世橋へ。

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このレンガを撮ったら、きっと良い雰囲気が出るに違いない。写ルンですを取り出してパシャリ! すると~……。

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ほら~! いいんじゃない? これはいいんじゃないの? 味あるものが、より味になる。それが写ルンですの良いところなのかも。最後に万世橋をから高架を撮ってみた。

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せっかくいい景色なのに、パセラのハニトーがめっちゃ邪魔なんだけど、まあ仕方ないか。ファインダーを覗いてパシャリ!

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・わかった!

う~ん、イイ! なんか味があってイイ。昭和の感じがプンプンして、おじさん思わず懐かしさに涙が出そうだよ。きっと世のリア充気取りの皆さんが、写ルンですを愛用するのはコレでしょ? 古めかしい感じが撮れて、自己満足に浸ってる訳でしょ? わかるわ~、すげえ良くわかる。

・金と手間と時間がかかる、それがイイらしい!

という訳で、しばらく写ルンですを使おうと思う。どんな風に撮れてるか確認できないうえに、本体代と現像代がかかり、なおかつ現像に時間がかかる。全然便利ではない代物なんだけど、なんかそこがイイんだよね~って感じで、写ルンですを使ってみようと思うので、そこんとこよろぴく~!

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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