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私(佐藤)が思うに、ライターである以上は、常に情報のアンテナを張り巡らせておくべきだ。ネットの情報に頼るだけでなく、日々周囲の些細な事柄にも敏感でありたいもの。それが編集長であれば、なおさらだ。

これはそのアンテナが低すぎて、逆に些細なことに感動する男の話。物語の主人公である当サイト編集長GO羽鳥は、身近なモノに気づかないだけでなく、日常から遠く離れた場所で、ムダに感動してSNSにその出来事を投稿し、フォロワーにツッコまれまくりingだったのである。

・新神戸駅を降りて即迷子

1月某日のこと、羽鳥は神戸に取材に行かなくてはいけなかった。あまり西日本方面に行ったことのない彼にとって、出会う景色は新鮮だったに違いない。少し話は逸れるが、彼は遠方に出かけるのが大好きなクセに、絶望的な方向音痴。この日も新神戸駅に降りた瞬間に迷子になるという、エキセントリックな旅の始まりを迎えた。

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・自らを「レイちゃん」という男

また話が逸れて恐縮なのだが、彼は自分が大好きらしく、時々Instagramで女装した時の画像をアップする。女装姿の自分のことを「レイちゃん」と呼んでおり、ハッシュタグ「レイちゃんボム」というのを作って投稿。爆撃のような衝撃を与えているつもりらしいのだが、身近な人間のひとりとして言わせてもらえると、気持ち悪いからやめて欲しいのである。

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・下調べミスでお店休み

話を戻そう。さて、神戸に降り立ったレイちゃん、いや羽鳥は神戸牛を食べてみたいと思ったようだ。しかし地の利を得ないだけでなく、絶望的な方向音痴で目的の店にたどり着けない。さらに到着したお店が休みという、基本的な下調べミスを犯して、望みの肉にありつけなかった。ほかのお店に行こうと商店街を徘徊している途中に、彼にとって運命の出会いを果たす。

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・たい焼きとの出会い

阪急三宮駅の界隈を歩き回り、小腹が空いたのだろう。レイちゃん、いや羽鳥の目に飛び込んできたのは、1軒のたい焼き屋である。冬の見知らぬ土地で見かけたたい焼き屋。ことのほか、ウマそうに、そして温かく見えたに違いないだろう。そこで1尾のたい焼きを食べると共に、その時の感動をこう伝えている。

「駅の場所が分からずウロウロしてたら、うまそうな鯛焼き屋さんがあったので買ってみたら、ビックリするくらい美味かった。衣とかサクサクすぎて、「ぷくぷくたい」かよってレベル。あっという間に食べちゃった。なんだろここ、有名店なのかな?」(GO羽鳥 Instagramより引用)

・「ぷくぷくたい」って……

たい焼きとの出会いが、寒さで凍えたであろう身体を温め、不安の心を少なからず癒したに違いないはず。しかしその感動は「『ぷくぷくたい』かよ」という非常に つたない言葉でしか表現されていないのは残念だ。「『ぷくぷくたい』かよ」というお前は、本当に編集長かよ! 今どき子どもでもそんなこと言わんぞ! まあとにかく、このたい焼きとの出会いは感動をもたらしたようだ。だが……。

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・気づけ、どこにでもある

レイちゃんの投稿を見たフォロワーから、すかさずツッコミが……。「それアキバにもありやす」、「高田馬場にもあります」。さらには、「これ四谷三丁目にあるお店と同じでは」。四谷三丁目駅は当編集部のある新宿御苑前駅の隣……。私も知ってた、隣の駅にあることを。

レイちゃん、お前の言う「ぷくぷくたい」は、歩いて行ける距離にあるんだよ! アキバにも浅草橋にも神田にも高田馬場にもあるんだよ!! それでも編集長かよ! 「有名店なのかな?」じゃねえんだよ!!

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事務所を出発したとして、新幹線に乗って約3時間半。飛行機なら1時間20分程度でたどり着き、ぷくぷくたいの感動は、徒歩15分の距離で得られることを、レイちゃんは知らなかった。四谷三丁目だけでなく、ほかにも店舗がアチコチにあるというのに。レイちゃんの目は節穴である……。

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日々周囲の事柄に敏感でありたい。私は、自らの女装姿を愛し、心と体を癒したはずのたい焼きを「ぷくぷくたい」と表現した男から、このことを学んだ次第である。

参照元: GO羽鳥のInstagram
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

▼GO羽鳥がはるか遠くで見つけた、感動のたい焼きは
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▼事務所から歩いて約15分のところで売っている。なぜ知らない……
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