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最近の筆者は、洋画よりも海外ドラマシリーズばかり見るようになってしまった。その理由は、1話の時間が短いので忙しい日でもチョコチョコ見られるし、なんといっても、シリーズが進むにつれキャラクターが成長したり変化を遂げ、大きな愛着が沸くからである。

だが一方の映画には、ドラマシリーズではお目にかかれないような超A級スターが出演していたり、2時間程の間に、エンターテインメントの全てが「ギュっ!」と凝縮されているので、ドラマにはない魅力がたくさんある。そんな訳で、2016年に日本公開される ‟絶対見るべき洋画5選” を紹介してみたいと思う。

・その1 『レヴェナント:蘇えりし者』 2016年4月公開予定

本作は実在のハンター、ヒュー・グラスをモデルにしたマイケル・パンクによる小説の映画化だ。熊に襲われ瀕死の重傷を負ったヒューが、仲間だったジョン・フィッツジェラルドの裏切りで息子を殺され、極寒の山脈に置き去りにされてしまう。彼に残されたのは、ジョンへの復讐心のみ……。

執念でジョンを追い詰めていくヒューの復讐劇とサバイバルの様子が、壮大なスケールで描かれる作品だ。

本作の見どころは、なんといっても主役ヒューを演じるレオナルド・ディカプリオの鬼気迫る迫真の演技だ。日本では公開前だが、筆者は独自のルートで本作をすでに鑑賞した。演技派として名高いレオナルドの演技はいつも素晴らしいが、とにかく、本作の彼の演技は別格と言えるのではないだろうか。

数少ないセリフの80パーセントはネイティブ・アメリカンのパウニー族の言葉で、レオナルドは役に成り切るためにバイソンの生の肝臓を食べたり、動物の死骸の中で睡眠を取るシーンも実際に演じたそうだ。

今までに、アカデミー賞主演男優賞に4度ノミネートされていながら受賞を逃している彼だが、今度こそ悲願の栄冠を手にする可能性が髙そうだ。日本では、4月に全国ロードショー予定。

・その2 『ヘイトフル・エイト』 2016年2月27日公開

『パルプ・フィクション』や『キル・ビル』シリーズなどの作品で、その個性的なキャラクター作りと作風で、ハリウッドに革命をもたらしたとも言われるクエンティン・タランティーノ監督。そんな監督の最新作『ヘイトフル・エイト』は、『ジャンゴ 繋がれざる者』に続き、またもや西部劇だ。

本作の舞台は、南北戦争後のワイオミング州。吹雪で足止めを食った男女8人が居合わせた密室で、殺人が起こる。賞金稼ぎと囚人、カウボーイや保安官といった一見なんの繋がりもなさそう8人が、それぞれの素性を探るために言葉を交わし始めると、偶然集まったはずの8人には接点があることが発覚する……というストーリー。

お気に入り俳優を何度も自作品に出演させることで知られるタランティーノ監督だが、今回も、彼の作品でお馴じみのサミュエル・L・ジャクソンやマイケル・マドセン、ティム・ロスらが顔を揃えている。いつも、想像がつかないようなストーリー展開を用意している監督が、今回はどんなサプライズを見せてくれるのか楽しみだ。こちらは2月27日に全国公開開始。

・その3 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』 2016年3月25日公開

近年のハリウッドは、アメコミ・スーパーヒーローものが数多く製作されるようになった。なかでもバットマンは、1989年にティム・バートンが監督して以来、バットマン役に違う俳優を据えスタイルを変えながら進化し続けてきた。

そして、クリストファー・ノーラン監督が製作し、クリスチャン・ベイルがバットマンを演じた三部作『ダークナイト』シリーズ終了後、新バットマンに抜擢されたのは、監督としても大活躍する俳優ベン・アフレックだ。ちなみに、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』はバットマンシリーズの最新作ではなく、スーパーマンが主役の映画『マン・オブ・スティール』の続編に当たる。

前作の最終決戦で人類救済のためとはいえ、街をメチャクチャに破壊しまくってしまったスーパーマン。その結果、恐るべきパワーを持つスーパーマンを人類が恐れるようになり、バットマンが戦いを挑むことになる……という奇想天外なストーリーが繰り広げられる。本作は、3月25日に全国公開がスタート。

・その4 『ブラック・スキャンダル』 2016年1月30日公開

50代といえば、普通にオッサン呼ばわれりされてしまう年代だが、今年53歳になるジョニー・デップは別である。そんな、全く寄る年波を感じさせないワイルドなイケメンぶりが健在のジョニーが、白髪のてっぺんハゲ親父役に挑んだのが『ブラック・スキャンダル』だ。

本作の主人公は、ボストンの伝説的なギャングのボス、ジェイムズ・‟ホワイティ”・バルジャー。彼の幼なじみでFBI捜査官となったジョン・コノリーと、有力政治家へと出世したジェイムズの弟ビリーの3人が、それぞれの利害が一致したことで ‟ある契約” を交わす。そして、その契約が、正義の根幹を揺るがす大事件へと発展することとなる……。

ジョニーはジェイムズ役を演じ、英人気ドラマシリーズ『SHERLOCK / シャーロック』のシャーロック・ホームズ役で大ブレイクしたベネディクト・カンバーバッチが、ジョニーと兄弟役を演じているところも大きな見どころだ。こちらの作品は、1月30日より全国ロードショー開始。

・その5 『スター・トレック ビヨンド』 2016年夏公開予定

2015年12月に公開され、世界中で大ヒット中の『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』。そんな、『スター・ウォーズ』と双璧を成す人気を誇るのが、『スター・トレック』シリーズだ。本シリーズのコアなファンは ‟トレッキー” と呼ばれ、彼らの作品への想いは、『スター・ウォーズ』ファンに勝るとも劣らない熱狂ぶりで知られている。

本作は、2009年に公開された若き日のジェームズ・T・カーク船長を描く『スター・トレック』リブートシリーズの第3弾。前作から2年半後の設定となる本作のストーリーは、今のところ詳細は明かされていない。だが、リリースされた予告編では「アクションとスピード感が満載過ぎる!」と、トレッキーの間で賛否両論に!

『スター・ウォーズ / フォースの覚醒』でメガホンを取ったJ・J・エイブラムス監督が本作の製作総指揮を務めているだけに、アクションだけに終わらない、クオリティ高い仕上がりになっていることを期待したい。本作は、今夏に全国で公開スタート予定だ。

今年は海外ドラマシリーズだけでなく、注目の映画作品もドシドシ見て行きたいと思う。個人的には、アメコミの悪役が集結する映画『Suiside suquad』が「早く日本公開にならないかなあ~」と思っている。やはり洋画作品は、日本公開が遅いのがなんとも残念である。

参照元:YouTubeIMDb(英語)
執筆:Nekolas

▼『レヴェナント:蘇えりし者』の予告編

▼『ヘイトフル・エイト』の予告編

▼『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の予告編

▼『ブラック・スキャンダル』の予告編

▼『スター・トレック ビヨンド』の予告編