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世界を悩ませる問題は多々あれど、人種差別問題もその一つ。人種や宗教、出身地、職業、見た目など、ありとあらゆる点で差別は起こる。けれども、差別をするのが人間なら、差別を止めるのも人間だ。

今回も、地下鉄に乗っていたイスラム教徒の女性が、見知らぬ男に差別的な暴言を吐かれたのだとか。しかし周囲の乗客は、それを見過ごさずに女性をかばって反撃! なんと男を地下鉄から追い出してしまったというのだ!!

・地下鉄内で人種差別にあった姉妹

ことが起こったのは、英ニューカッスル。23才のイスラム教徒の女性ルヒ・ラーマンさんが彼女の姉妹と地下鉄に乗っていた。すると突然男が近づいてきて、彼女たちに向かって「俺の国から出て行け。色々な国を爆破させているお前らに、この国にいる資格はない」などの差別的な暴言を投げつけたというのだ。

ラーマンさんたちは、そんな発言にショックを受けながら「私たちはこの国で生まれた。ここは私たちの国でもあるのよ」と言い返しても、男のひどい言葉は止まらなかったそう。

・団結して人種差別に立ち向かった乗客たち

すると、隣に座っていた見知らぬ女性が、彼女たちに救いの手を差し伸べた。男に対して、“そんな発言は止めろ” と言い返したというのだ! 周りの乗客も見て見ぬ振りをせずに、続々と掩護射撃を開始。最後には、男を地下鉄から撃退し、拍手が巻き起こったのだとか。

その後、1番初めに助け舟を出してくれた女性は、男の言葉はひどすぎたと涙を流し、多くの乗客もラーマンさんたちとハグを交わしたということだ。

・ラーマンさん「みんなが助けてくれたことに、感謝の言葉が尽きない」

今回のエピソードをラーマンさんは Facebook 上に投稿し、「世界には素敵な人があふれている」と乗客の行動に感謝を表している。

海外サイト Chronicle Live のインタビューでも、彼女は「自分がニューカッスル出身であることを、こんなにも誇りに思ったことはありません。みんなが協力して私たちを助けてくれたことはとても嬉しく、感謝の言葉が尽きません」と話したのだった。

現在、警察は男の行方を捜査しており、地下鉄の運営会社も情報提供を呼びかけているとのことだ。

こんな風に、人種差別に立ち向かう人間は大勢いる。これまでにも、お姉さんが人種差別者に喝を入れたことや、ディズニーが暴言を受けたアボリジニの女の子に “神対応” を行ったことなども話題となった。さて、あなたは「差別をする方」と「止める方」のどちらだろうか?

参照元:Facebook[1][2]Chronicle Live(英語)
執筆:小千谷サチ

▼ラーマンさんが経緯を説明した投稿

▼ BBC のインタビューにも答えた