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『三国志』といえば、中国の三国時代のお話。魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権。この英雄たちの物語は、小説はもとより漫画にゲームと日本でも多くの人に愛されている。

そんな『三国志』のなかで、劉備、そしてその義兄弟・関羽、張飛の “チーム桃園の誓い” の公式デビュー戦とも言われるのが「虎牢関の戦い」である。三兄弟が呂布と対峙する……あの戦い! ぶっちゃけ序盤の胸アツスポットだ!!

我ら同年同月同日に生まれるを求めずも……とりあえず戦場に駆けつけてみた!! その一部始終を行き方も交えてお伝えしたい。

・虎牢関の戦い2015 / ルート:鄭州~上街~虎牢関

ということで「三国志 Another day」と称し、1824年遅れで(テヘッ)、虎牢関に駆けつけたのは私・沢井メグだ! 今回の行軍行程は「鄭州駅→鄭州汽車西站→上街→汜水(しすい)→虎牢関」。中国の南北をむすぶターミナル駅・鄭州駅からのスタートである。

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・バスターミナル「汽車西站」へ向かえ!!

詳しい様子は動画「【三国志スポット行き方まとめ】虎牢関の戦い2015 / 三国志 The Another day 第1話」でご確認いただけるが、戦場に向かうにあたり、注意点もふまえつつサクっと紹介したい。

さて、鄭州駅からの出発だが、虎牢関に行くには、駅から15キロほど離れたバスターミナル「汽車西站」から「上街」までバスでゆかねばならない。「汽車西站」には、地下鉄で「鄭州駅→秦岭路駅」から歩く、という方法もあるが、私がいた駅の東側から地下鉄までは、絶望的に遠かったので三輪タクシーで行くことにした。西広場スタートなら地下鉄ルートもアリである。

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・輪タク、道路を逆走 / 旅は始まっている

さて、輪タクをつかまえて値段交渉だ。1台目でいきなり「西站已經沒有了(西駅はもうないよ)」と、メイヨー攻撃を受けつつも、2台目で交渉成立。30元(約580円)だ。
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すると輪タクのおばちゃんは道路を逆走しはじめた! 逆走、逆走につぐ爆走! 中国に来たって感じ、オラ、ワクワクしてきたぞ!! 最短ルートを最速で通るというサービスぶりで、20分で「汽車西站」に到着した。

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・中継地の上街までは30分

「汽車西站」から「上街」行きのバスは頻繁に出ているので、そう焦ることはない。中国の路線バスで、日本のバスと異なる点は切符売りの乗務員がいることだ。車内を回って、一人ひとりに行先を尋ねて運賃を回収する。

お金と受領証をジャラジャラ持っている人に何か言われたら「上街」と「人数」を伝えよう。上街までは1人6元(約115円)、30分ほどで着く。

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・なお、ニーハオトイレしかない

上街は最後の乗換ポイントになるので、トイレなどはココで済ませておきたいところ。

だがしかし! こ、これは……ニーハオトイレ・溝式!? 上街バスターミナルのトイレは、深い溝に用を足すスタイル。もちろん水洗設備や扉、仕切りはなく、人の尻が丸見えどころか、前の人のオシッコやらウンコやらがそのまんまである。他人様のウンコと、おばちゃんの尻を見ながら用を足す。

GoogleやTwitterは使えないし、尻は丸見えだし、遥か遠くまで来たものだ。旅情を感じるが、ニーハオトイレが苦手な人は、トイレは先に鄭州の市街地で済ませておこう。

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・走行中のバスに飛びのっていざ汜水へ!

上街→汜水へのバスは、そう本数が多くない。バスを見つけたら、すぐ乗ることをオススメしたい。……あーっ、バスが出発してしまった! 次のバスか……と思ったそのとき、私の存在に気付いてくれたバスの乗務員さんが「急げーッ! 乗れェェェッ!!」と声をかけてくれたのだ。その親切に、ありがとう!! でも止まってはくれないんだね……! 

走行中のバスに飛び乗って、汜水へ!! バスに乗るだけでアドベンチャーだ。乗務員さんに運賃2元(約40円)を払う。ちなみに、私がさっき飛び乗ったドアは、閉まる気配がない。開きっぱなしのまま、バスは疾走した。振り落とされないように気をつけろ!!

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・ウンコ道のその先に……虎牢関

よっしゃ! 汜水についたらあとは歩いて行くだけや! 何もない道を、数mおきに落ちているウンコっぽいモノを避けながら西へと真っ直ぐ真っ直ぐ歩いて行く。

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この伝説のバトルフィールドに続く道では、地元民に「どこに行きなさる? そっちに行っちゃなんねぇ! 何もねぇ!!」的な制止を受けることもあるそうだ。しかし、「いえ、わたくしには大義がございますゆえ」と “止めてくださるな!” オーラ全開で進んでいく。

西へ1.5キロほど歩くと……あった! あった!! 廟があった! そして、その先には「虎牢関」の石碑だ。虎牢関に着いたどーーーーー!

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・虎牢関を独り占め!!

って、これだけ!? 石碑ひとつだけ!? 中国の最強コンテンツ『三国志』スポットなのに石碑と廟しかない……。しかも廟は施錠されている。観光客はゼロ。というか、人すらいない。なんとも寂しいものだなぁ。

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……が、考え方を変えれば、ここには「観光客がいない=ボッタクリ野郎もいない」と、快適。さらに、誰もいないので虎牢関を独り占めできるということである。そう思うとなんだか趣もあるし、すっごく幸福な気がしてきたぞ。

いつまでもこの幸福に浸っていたいが、汜水から上街への最終バスは18時頃だ。これを逃すと、他に交通手段はないので時間には要注意だ。

また、ご存じの通り中国ではGoogle検索やGoogleマップは使えないので、「指さし虎牢関便利帳」を添付しておきたい。ぜひ活用してくれよなっ!!

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼郊外の足は基本、バスである
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▼汜水のバスターミナルは窓全割れ。今は使われていないのかも

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▼汜水→虎牢関の地図。Googleマップは使えないので書いてみた
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▼道中で見つけた三国志っぽいモノは、謎のあずまやに続く階段のみ。でもこの階段をのぼっても虎牢関には着かないので要注意だ
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▼虎牢関キタァァァッ!!
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▼石碑と廟しかねぇぇぇえええ!
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▼しかも廟は施錠中

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▼のぞくと「桃園の誓い」の絵を発見
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▼開いているとこんな感じだぞ
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▼上街方面のバスは18時頃が最終だ。戻る豪傑は、くれぐれも時間に注意してくれよな!

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▼オマケ。汜水→虎牢関の地図。中国ではGoogleマップは使えないので参考にどうぞ
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▼オマケ「指さし虎牢関便利帳」。バスや行先を伝えるときに使ってくれ!! 以上!

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