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毎日、何気なく使っている通勤路。その道筋の決め方は人それぞれだろうが、私(中澤)の場合は、とりあえず地図とか見ずに「こっちに行ったら駅に着きそうだな」という方向に歩いてみて、迷っているうちに体が道を覚えるという感じだ。

今住んでいる街でも同じように通勤路を決めたのだが、その際道に迷って変な場所に行きあたった。その場所の雰囲気がとにかく気持ち悪い。とはいえ霊感もないので、「なんとなく嫌だなあ」くらいにしか思ってなかった。先日再びそこを訪れるまでは。

・場所

都内の池袋駅から15分くらい北に歩くと、川越街道と山の手通りがぶつかる熊野町交差点に出る。その場所は、交差点の脇に建つドンキホーテの前にかかる歩道橋だ。

・もう1回行ってみるか

そこを通ったのはたいぶ前な上、それ以来行ってないので記憶も曖昧。私は「ひょっとしたら気のせいだったんじゃないか?」と思うようになっていた。見つけたのも、道に迷って不安になっている時だったのもあるかもしれない。

しかし、そんな夢みたいな感じがまた気持ち悪い。場所も近所で暇な時間もできたので、ちゃんと確かめに行ったのが今回の話だ。……結論、行かなきゃ良かったんだけどね

・何が気持ち悪いかわからない

家から歩いて10分くらいでその歩道橋が見えてくる。やっぱり気持ち悪い。ただ何が気持ち悪いのかは、その時わからなかった。ちなみに今は逢魔が時。空は晴れてるのに交差点全体は薄暗い。

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・階段に落書き

繰り返すが私に霊感はない。気負うことなく階段を登り始めた……はずなのだが、一歩登るごとに足が重い。すでに登るのが嫌になり始めている。「引き返しちゃおうかな……」そう思いながら2つ目の踊り場に通りかかった時、壁に一言「大丈夫!」と書かれていた。これにはちょっとクスっときた。この時点では……

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・歩道橋の上で感じる視線

やっとの想いで登りきったが、歩道橋とT字になるように上からかぶさる高速道路のせいで、奥の方は極端に暗い……。さらに歩みが重くなる。結構な時間、私は奥に進むかどうか迷ってしまった。道端で立ち尽くしていたら、それだけで変人だと思われるに違いない。

ずっとそうしてるわけにもいかないので、奥の暗闇に向かって踏み出すことにした。少し歩いては振り向き、後ろを確認してしまう。なんか視線のような気配のようなものを感じる。結局、15mほど進むのに5回くらい振り返った。でも当たり前のように人はいない。

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・気持ち悪さの理由

その時ハッと気づいた。なぜこの場所がこんなにも気持ち悪いのか。もちろん単純に薄暗いというのもある。しかし、それ以上に不気味なのは、さっきから誰にも追い抜かれないし、誰ともすれ違わないこと。むしろ人通りが多い道なのに、歩道橋を登ってくる人は誰もいないのだ。みんな先の横断歩道で歩道橋を迂回していく。

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・歩道橋から降りたい!

もう降りたくて仕方なくなった私は、歩道橋の奥まで一気に行った。そこは夕方とは思えないくらいマジで暗かった。例えるなら曇っている日の日没直後のような暗さだった。一刻も早く歩道橋から降りたい! しかし、降りる階段の最上段1歩手前で、私はまたもや立ち尽くしてしまった。

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・タイルの1個1個すべてに落書き

階段の最上段には、落書きがあったのだ。いや、落書きかどうか疑わしい。なにせとても丁寧に几帳面に書かれている。タイルの1個1個すべてに「大丈夫」という言葉が。何が大丈夫なのか? そもそも、この言葉は誰にあてられたモノなのだろうか?

私は心臓をつかまれたような気分になった。歩道橋を降りて道行く人の中に混じっても、何回も後ろを確認してしまう。歩道橋から誰かが見ている気がするんだ……。

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・熊野町交差点の真実

家に帰ってこの交差点について調べてみたところ、まず引っかかったのが日本損保のHP。「なんで日本損保?」と思ってクリックしてみたら……2013年、2014年と2年連続で東京の事故多発交差点ワースト1位に熊野町交差点の名前が載っていた。霊ってやっぱいるのかもしれない。

参照元:日本損害保険協会HP
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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