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2015年10月、「カップ麺で生麺の味わいが出せるのは麺業界に携わる者として今後100年間は無理だと思っていた。(正麺は)お店のラーメンと何ら変わらない。」とインスタントラーメン専門店・やかん亭代表の大和イチロウさんが大絶賛した『マルちゃん正麺 カップ』が発売された。

100年に一度なんて、まるでカップ麺界の○本環○じゃねーか! と、流星の如く現れた『マルちゃん正麺 カップ』。どうやら作り方も相当こだわっているらしい。製造工程において、通常では麺を「蒸す」ところを「ゆでる」ことでより麺を美味しくし、そのゆでたての麺の美味しさをお湯を入れて再現できるように乾燥させる。その名も「生麺ゆでてうまいまま製法」というそうだ。

気になったのでさっそく1個買って開封してみたものの、見た目は従来のカップラーメンと大差はないようだ。味に関しては、文句なしにウマい。袋の正麺が出たときもその生麺っぽさに相当な衝撃を受けたが、カップで生にこれほどまで近い食感を出すとは恐るべしだ。

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これほどまでの完成度なら「マルちゃんショック」と言わしめた、マルちゃん正麺の袋麺のときと同様、この商品もカップ麺市場に新たな革新を起こすほどの実力を持っているのかもしれない。

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山形県民はラーメン好きが多いことで知られ、普通のそば屋で出されるラーメンですら信じられないぐらい美味しい店が多い。NTTタウンページの調査でも、山形県はラーメン好きな県として10年連続不動の1位を取るなど、全国でも名高いラーメン県なのである。もしその山形県民に「ウマい!」と言わせることができたら、きっとこの商品の実力を証明することになるはず。

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山形空港に着いてからテキトーに走ること数分、顔出しはNGだが試食はOKという山形県民3名に試食してもらうと、最初から意外な高評価が!

「美味しい」、「200円ぐらいなら満足」、「インスタント麺っぽくない」という結果に。いきなり見知らぬ人からカップ麺を渡されて食べてくれる山形県民の優しさに感動しつつ、高い評価をしてくれたことにもさらに感動した!

よーしこの調子で、次は山形が誇るラーメンのプロにも試食してもらうぞい! と次に向かったのは、創業昭和45年、地元の人に評判の人気ラーメン店『大もり家』である。

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まずはお店の味を知るべく、大もり家の定番『大もり家ラーメン』を食べてみると、これが最強にウマーーーー! もし都内にあったら大行列必死のスゲェラーメンじゃないっすか!

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鶏ガラとげんこつ、魚介がブレンドされたクリアなスープに、ツルっとした麺のハーモニーはオーソドックスながら、毎日食べても飽きずに美味しく食べられる本当に美味しいものであった!

もしこの味を出せる店主が『マルちゃん正麺 カップ』を美味しいと言ったなら、もう大ヒット間違いなしでしょう! ということで試食の交渉をすると、快くOKしてくれた。ラーメン職人歴25年の女将さんが食べた結果は……!!!

「とっても美味しいですよ。スープも麺もインスタントラーメンっぽさが無いですね(ニッコリ)」

――とのことである。女将さんの娘さんと、常連さんらしき女性にも試食していただいたところ、「美味しい!」と言ってくれた。

山形県に来る前は「こんなの山形のラーメンには足元にも及ばないだろ!」と激怒されまくるんじゃないかと心配していたが、そんなことはなかった。

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心からホッとしつつ、お次も山形市にある人気ラーメン店『村井家』のオーナーと職人さん1名に試食してもらうことに。

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オーナー「ウマいね! うちで出したいぐらい(笑)」

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職人さん「美味しいですよ。カップ麺は良く食べますけど、本当に生麺みたいですね」

うーん、高評価すぎて逆に怖くなってきた。お世辞抜きで正直な感想をお願いします! と毎回言っているのに、いい返事しか無いなんて……。

ここまで計8人に評価してもらったので、キリの良い数字で終わらせるため、お次は山形のとあるホルモン焼き屋さんの店主と女性店員に試食してもらうことにした。

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お二人とも相当ラーメンにはこだわりが強いようで、やや具体的なコメントをもらうことができた!

店主「もう少し麺が柔らかい方が好みですが、スープのクオリティは相当高いですよ。あともうちょっとボリュームがほしいかも」
女性店員「美味しいですが、もうちょっと量が多くないと山形県民は納得しないかも!? この倍ぐらいの量があったら私は満足できます!」

お二人いわく山形のラーメンは基本的にボリューム満点のお店が多いため、量がやや少なく感じてしまったらしい。それでも味に関しては高い評価であった。

プロを含め、ラーメン好きの山形県民10人中10人に「美味しい!」と言わせた『マルちゃん正麺 カップ』。1971年に誕生したカップ麺がファーストウェーブ(最初の革新)とすると、ノンフライ麺でセカンドウェーブを起こしたのは1976年。

以降、新しい商品が発売され、少しずつ進化はしていったものの、ここまで革新的なカップ麺は無かったのではないだろうか。しかし、いよいよ『マルちゃん正麺カップ』が、本当にカップラーメンのサードウェーブを起こすことができるのかもしれない。

実際、発売から1カ月で累計出荷数が100万ケースを達成したらしく、すでに大ヒットしているようだ。調査にご協力いただいた山形県の皆さん、ありがとうございました!

参考リンク:マルちゃん正麺 カップ
取材協力店舗:めん処 大もり家村井家
Photo:Rocketnews24