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映画『ゴーストバスターズ』、『恋はデジャ・ブ』、『ロスト・イン・トランスレーション』、『ブロークン・フラワーズ』……と言えば、そう、俳優のビル・マーレイさんだ。そのおとぼけた雰囲気で、独特の地位を築いてきた彼だが、なんと海外サイト Reddit に登場し「何でも聞いてね」と質問を広く受け付けたというではないか! 

そこで今回は、ビル・マーレイさんが行った質疑応答32選をお伝えしちゃうぞ!! あの日本を舞台にした『ロスト・イン・トランスレーション』の「最後の台詞は?」などの質問もあるようだ。さて、ビルさんはなんて答えたのだろう?

Q1:“ピーナッツバターとピクルスのサンドイッチ” は好きですか?

A1:いいや。僕はピクルスが好きだ。よくサンドイッチの具に使う。大好きだ。でも、ピーナッツバターと一緒に食べたことはない。でもピーナッツバターだって大好きだ。こんなにも両方好きなのに一緒に食べたことがないなんて、ちょっと驚いているよ。

Q2:そんなに素晴らしいのって、どんな気持ちがするものですか?
A2:素晴らしくなるために、特別なことはしていないよ。なんていうか、ショックを受ける感じかな。毎朝、紫の光を浴びて目を覚ますような感じのショックだ。

Q3:これまでに食べた中で、最高のサンドイッチはどれでしたか?
A3:ワーナー・ブラザースの近くに、確か『ゴッドファーザー』という店があると思うんだ。そこでは色々なサンドイッチが作られている。潰したアボカドやスプラウトなんかでね。とっても美味しいんだ。

嫌なことがあった日。そう、不出来な映画の撮影があったときのことだ。その店のケータリングを頼んだんだけど、サンドイッチの美味しさで嫌なことも忘れてしまったよ。

Q4:映画『ロスト・イン・トランスレーション』の最後のシーンで、スカーレット・ヨハンソンになんてささやいたの?
A4:あのね、忘れちゃったんだ。

Q5:日本で遭遇した、一番変な体験は何?
A5:一番変な体験ねえ……。僕は日本にいた間に「日本語で恋人を作るための実践会話集」みたいな本を持って、色々な寿司屋を訪れたんだ。その本には、「車の後ろの席にうつらない?」とか「君のご両親は、僕のことを知ってるの?」とか「何時に帰らなくちゃいけない?」なんて日本語が載っていたんだけど、これ1冊で楽しい時間が過ごせたものだ。

ある日、僕は1軒の寿司屋に入った。そして大将に本を使って色々と質問をしていたんだ。すると彼に「新鮮なウナギを食べたいですか?」と聞かれたんだ。僕が「もちろん」と答えると、彼は奥から生きたウナギを持ってきた。

それを僕に見せた後、奥に引っ込んで、また戻ってきた。そしたらウナギはもう死んでいた。そのウナギはこれまで食べた中で、もっとも新鮮な食べ物だったよ。生きていると思ったら、30秒後には僕の食べ物になっていた。とても面白い体験だったな。

Q6:こんな噂があります。“ビル・マーレイが突然、フライドポテトを食べている人の所まで歩いて来て、フライドポテトをつまんで食べて「こんなこと誰も信じないだろうね」と言った” 。本当にあったんですか?
A6:何の話をしているのか分からないな。

Q7:あなたの出演された映画『ファンタスティック Mr.FOX』は素晴らしかったです。どんな撮影現場でしたか?
A7:とても楽しかったよ。一緒に働いたスタッフも面白かった。まず僕たちは、友人の農場に行って、何日かそこで過ごして、日中は撮影を行っていた。夜になると、素晴らしく美味しい料理を食べて、盛大に話し合った。料理も酒も最高に美味くて、話も面白かった。みんな目が開けていられなくなるまで、毎晩話し込んでいたよ。

その後に場所を移して、同じように過ごした。そしてジョージ・クルーニーの家に行ったんだけど、ちょっとイザコザが起こって、チームが分かれることに。だからジョージと僕は、北イタリアをウロウロしていたんだ。あれこそが本物の休日だったな。それからイングランドに飛んで、再び撮影に参加した。まあ70分で終わってしまったけど、そこでも楽しいひと時を過ごしたな。

そしてまた、20分の撮影のためにパリに行ったけど、これは酷い体験だった。監督のウェス・アンダーソンは、とてもいい仕事をやったよ。彼の弟のエリックの演技も良かった。エリックは全てにおいて、いい仕事をするんだ。ちなみにイングランドで作られたセットや機械も、全てが素晴らしかった。もう宝物みたいだったよ。

Q8:これまで出演した作品の中で、どのキャラクターが自分自身に最も近いと思いますか?
A8:さかのぼると結構長くなってしまうけど、最新作の役が今の僕の頭の中に近いかな。彼は自分の道を切り開いて、なんとか自分の意識と接触することが出来た。彼の救済は、自分の意識を見つけることだったんだ。

(編集部注:ビル・マーレイさんは “最新作” とだけ言って作品名は明かしていない。この回答は2015年10月下旬のものなので、『ロック・ザ・カスバ』だと思われる。)

Q9:医療用ではなく、快楽のためにマリファナを吸うことをどう思われますか?
A9:支持する人も多いだろうね。でもこれまで長い間、違法とされてきたことだね。麻薬戦争は失敗だった、マリファナを恐がり過ぎていた、と人々は気付き始めているようだ。今では、クラック・コカインやクリスタル・メスなどの麻薬が出現したから、マリファナのことはどうでも良くなったって感じかもね。

マリファナを許可する州も出てきたことから考えると、これまで取締がちょっと厳しすぎたことに気がついたのかもしれない。ずっと昔はマリファナを吸ったり、お酒を飲む治癒法が存在した。でもたった100年前に出来た法律で、マリファナが禁止されただけなんだ。

Q10:兄ブライアンさんと共演されたことがありますね。どんな感じですか?
A10:ブライアンは、一番初めに僕に大きな影響を与えた人物だ。今の僕がいるのは、彼のおかげだよ。今日にいたるまで何かに迷ったら、僕はいつも彼に助けを求めてきた。彼と番組に出演するのは、素晴らしいことさ。彼は本当に面白いんだ。僕を本気で笑わせてくれる。最高さ。

……さらなる質疑応答は、次ページ(その2)へ GO!

参照元:Reddit[1][2](英語)
執筆:小千谷サチ
イラスト:稲葉翔子