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日に日に肌寒くなっていく今日この頃。日の入りも随分早くなった。オレンジに染まった空と雲を見上げると、冬の足音が聞こえるような気がする。そんな寂しさを感じる黄昏時、私(中澤)が立っているのは市ヶ谷橋だ。

ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。今回訪れたのは、寂しさを感じている人にオススメのそば屋。その温かくどこか懐かしい味で、市ヶ谷のサラリーマンたちを日夜癒している『瓢箪(ひょうたん)』である。

・きっかけは肉そば

私がこの店を知ったのは、とある立ちそば雑誌に載っていた「肉そば」の写真がきっかけだ。味がよくしみてそうな出汁(だし)の色に染まった肉、濃い目だが澄みきったつゆ、一番上に添えられた淡いピンクと白のコントラストが美しいかまぼこ……。これ完全にウマいやつや!

写真が私に問いかけていた。「私を食べないで立ちそばを語るなんて正気かい?」と。だから今日、私は肉そばを食べに来た。もはや肉そばに呼ばれたと言っても過言ではないだろう。

・肉そばに会いに来たのに……

いざ店に到着してみると、券売機の肉そばのボタンには「×マーク」が光っている。ん……券売機の故障か? ひょっとして売り切れ? いやいや、そんなはずはないだろう。なんたってここの肉そばが私を呼んでいるんだから。もう肉そば食べる気なんだから。

何度肉そばのボタンを押してみても反応しない。念のため、女将に聞いてみると「この時間は結構売り切れてるの! ごめんね! でも、全部美味しいから!」とのこと……。
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・美しいかき揚げそば登場

肉そば売り切れは残念だったが、女将の人懐っこい人柄とその言葉を信じて「かき揚げそば」を注文してみることに。……すると、運ばれてきたのは美しささえ感じる逸品だった。

丼からはみ出す大きさのかき揚げに溢れんばかりのネギの山、その山の頂上にはかまぼこが鎮座している。これは確実にウマい。ひょっとして私を呼んでいたのはお前だったのか……!?
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・女将の言葉に嘘はなかった

かき揚げはカリカリに揚がっているが、ツユがしみた部分からほどけていく。このかき揚げの感じは初めてだ。サクサク感が素敵すぎる。にんじんに春菊と入っている具の色合いも美しい。

そばをすすってみると、作り手の温かい人柄が出ているような優しい味がした。つゆと合わせると、舌が優しさに包まれるようだ。女将の言葉に嘘はなかったのだ。
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とにかくこの店は、そばの味にも人柄にも店構えにも温かさが溢れていた。温かく優しい。メニューを見ると、そば以外にも丼ものも充実しており、毎日行っても飽きなさそうだ。最近、人の温もりに触れていない人は是非行ってみてほしい。心がポッカポカになれるぞ!

・今回訪問した店舗の情報

店名 そば処 瓢箪
住所 東京都千代田区五番町4-2
営業時間 7:00~17:00
定休日 土、日、祝日

Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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▼坂をちょっとだけ上る
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▼すぐ左手だ
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