DSC_0502
暑い夏も終わり、おでんや鍋が恋しい季節がやって来た。毎日のように食べていた『ガリガリ君』や冷たい飲み物とも来年の夏までオサラバか……。そうは言うものの、記者は寒い冬でもこたつに入りながらアイスクリームを食べるのが好きだ。寒暖のギャップがたまらない

それでも限界はアイスクリーム。シャリシャリ系の『ガリガリ君』や『爽(そう)』なんかは、やはり夏に食べたい。カキ氷なんてもってのほかだ。そんな時「あたたかいカキ氷」を食べられるお店が、奈良県の法隆寺近くにあるらしい──という情報をキャッチした。一体全体どういうことなのか、皆目見当がつかないが「百聞は一見に如かず」ということで、さっそく食べに行ってみたぞ。

・「あったかいんだからぁ~」3種類のほかほかカキ氷

あたたかいカキ氷を提供しているのは、柿の葉ずし総本家の平宗(ひらそう)。柿の葉寿司とカキ氷という組み合わせも、なかなかに謎だ。うむむ……一抹の不安を抱えながらお店に入ると、名産『柿の葉寿司』がずらり。そりゃあ、柿の葉寿司のお店なんだから当然。だがしかし、肝心の「カキ氷臭」がしないぞ。

いそいそと喫茶メニューを見てみると……あった。6種類ほどのカキ氷を提供していることが判明。それでも、この中に「あたたかいカキ氷」があるのか判断できず、店員さんに聞いてみると 『かぼちゃ氷』『さつまいも氷』『甘酒氷』の3種類がソレだと教えてくれた。なんと、本当にあたたかいカキ氷はあった。

IMG_7467

内心の驚きを隠しながら「別にびっくりなんてしてないんだからねっ」という顔をして、平静を装い3種類すべてを注文。ワクドキしながら待つ事数分。キタ──────! 見た目はよくあるカキ氷だ。がしかし、脇に何かが入ったカップとお皿が添えてあるぞ?

DSC_0484

のぞいてみると、カップにはトロりとした液体が入っていて、ホカホカと湯気が立っている。お皿の方にはトッピングする具材と思われるペースト状のものがあり、持ってみると確かに「あったかい……」。この瞬間、「クマムシ」さんの『あったかいんだからぁ♪』が脳内再生されたことは言うまでもない。

なるほど。「あたたかい」のはカキ氷にかけるソースやトッピングのことで、それらが最初からかけられているのではなく、自分でかけていくシステムになっているから「あたたかいカキ氷」が成立するんだな! これは考えてもみなかったぞ。面白いじゃないか。

・奈良に来たら絶対に食べてほしい『甘酒氷』

DSC_0464
さっそく食べてみよう。見ただけでは食べ方がわからないので、店員さんに手順を聞くと親切ていねいに教えてくれた。まずは、カップの液体は奈良県産の葛(くず)で、それをお皿のトッピング具材にかける。そして葛とトッピング具材を適度に混ぜ合わせ、カキ氷に乗せて食べる。これだけだ。

DSC_0511
DSC_0514

あっつあつの葛と、ほんのりあたたかいトッピングが混ざり合っていくその様子を、湯気を通して見るだけでも心があったまってくる。これだけ食べてもじゅうぶんイケそうだ。……ちょっと食べてみよう。「パクッ……」うん、思った通りとても美味しい

ペースト状のトッピングはどれもしっかりとした味で、中でも『さつまいも氷』は味が濃くて深くて、まるでスイートポテトだ。ちなみに、あらかじめ『かぼちゃ氷』の氷の上には練乳が、『さつまいも氷』と『甘酒氷』の上にはレモンとはちみつ、糖蜜がかけられていて、トッピングとのマリアージュを見事に計算されていることがわかる。

少し濃い目に感じるトッピングだが氷と一緒に食べると、ちょうどいい。さすがだ。そして3種の内、特に「甘酒氷」は奈良に来たら是非とも食べてほしい一皿。酒粕自体にものすごくコクがあるので、はじめは少ししつこいかな……と感じるかもしれないが、葛に入っている生姜がイイ感じにフィットして後味すっきりだぞ。

DSC_0476

「あたたかいカキ氷……」奈良の新たな名産になるかもしれない、そんな勢いを感じた。「奈良にうまいものなし」とはよく言われるが、全くそんなことはない。まずはこちらの「あたたカキ氷」を食べて、そのことを実感してもらいたい!

・今回ご紹介したイベントの詳細データ

店名 柿の葉ずし総本家 平宗 法隆寺店
住所 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺1-8-40
時間 11:00〜17:00(L.O.16:00)
定休日 なし

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼あたたかいカキ氷は三種類
DSC_0492
▼ふわっふわの氷、家ではこんなの作れないぞ
DSC_0471
▼酒粕ペースト、上に載っているのは「あられ」
DSC_0482
▼老舗の柿の葉寿司屋さん「平宗」
DSC_0462