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プロ野球界に激震が走った。2015年10月5日、読売巨人軍の選手が野球賭博に関与した疑いが発覚。日本野球機構は文書でその概要を報告している。

そもそも野球賭博とは、どのような形で行われるものなのだろうか? 野球賭博を経験したことがあるという某人物「A氏」に話を聞くことができた。大まかな流れは以下の通りだ。

・一度だけ経験したA氏の証言

話をしてくれたA氏は、今から約10年前に一度だけ経験したそうである。知人に誘われて参加したが、結局お金をやり取りすることはなかったという。

・受付は電話

A氏 「随分前の話なので、覚えている範囲で説明させていただきたいと思います」
記者 「賭博はどこか、特定の場所で行うんですか?」
A氏 「電話です。決まった場所に行く訳ではなく、電話で受け付けするだけです」
記者 「では、基本的には誰とも接触することなく、ことが済むってことですか?」
A氏 「そうですね。試合開始前に受付を済ませて、あとは試合の流れに従うだけです」

・賭け金

記者 「賭け金は決まってるんですか?」
A氏 「私が参加したのは1口1万円でした」

・試合前から点差

記者 「他の賭け事と同じように、オッズはあるんですか?」
A氏 「オッズというのかわからないですけど、チームの力量に合わせてハンディキャップみたいなものはあります」
記者 「ハンディキャプというと?」
A氏 「たとえば、上位のAチームと下位のBチームが試合をしたとしましょう。当然みんなAチームに賭けたがるに決まってます」
記者 「そうですね」
A氏 「それでは賭けが成立しないので、あらかじめ点差を付けておく訳です」
記者 「試合前から?」
A氏 「そうです、試合前から0対3でBチームがリードしている状態で、賭けをするんです」
記者 「なるほど、実際の試合が1対0でAチームが勝利しても、賭けの方では1対3でBチーム勝利ということになるんですね」
A氏 「そういうことです」

・レートは2倍で固定

記者 「レートとかあるんですか?」
A氏 「レートは固定です。2倍になります」
記者 「1口1万で賭けて、勝てば2倍の2万と」
A氏 「そうです」
記者 「ちなみにAさんは勝ちましたか?」
A氏 「1試合勝って、2試合目で負けたので、やり取りはなしです」
記者 「そういうこともあるんですね」

これはあくまでもA氏の経験に基づく話であり、実際のところは不明。今も同じようなやり方で行われているかもわからない。最後にA氏はこんなことも話していた。

「プロ野球だけでなく、甲子園でも行われていると、その時に聞きました」。野球賭博の闇はかなり深いのではないだろうか。

参考リンク:朝日新聞
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24