狭い所、高い所なんでもござれと、スイスイ潜り込むニャンコ。その身軽さは人間には決して真似できないものだ。けれども中には、高〜い木に登って降りてこられないネコもいるのだとか……。こんな場面に遭遇したら、消防に通報するところだろう。

しかし、世の中には高い木から降りられなくなったネコを助けてくれる専門団体が存在するというではないか! そこで今回は、実際のレスキューの様子が収められた画像・動画とともに、この団体についてお伝えするぞ!!

・米ワシントン州を拠点に活動する『キャノピー・キャット・レスキュー』

高い木の上からネコをお助けする専門レスキュー非営利団体『キャノピー・キャット・レスキュー(CANOPY CAT RESCUE)』。

30メートル、40メートルもある高い木の上からネコが降りてこられなくなったら、一般人にはもうお手上げ。頭上でネコが助けを求めているのに、何も出来ない……という、とても悲しく歯がゆいピンチに陥ってしまう。そんな悲劇をなんとか防ごうと、2009年に米ワシントン州で設立されたのが同団体だ。

木の上で立ち往生するネコを助けるために、昼でも夜でも、どんな天候状況でも、ワシントン州全域に渡って駆けつけてくれるというのだ! これは……実に心強い!!

・動物好きで、木の専門家がネコをレスキュー

実際にレスキューにあたるトム・オットーさんとショーン・シアーズさんは、共に動物好きで、樹木の専門家 “アーボリスト”。彼らはロッククライミングに似た方法で木に登る技術を持っているので、高い所からネコを助けることが可能なのだ。

ではどのようにネコを助けるか、実際に動画を見てみよう。団体の Facebook や YouTube チャンネルには、今まで救出してきたネコ1匹1匹の動画が残されているぞ。

・レスキューの様子を見てみよう!

例えば、黒白柄のバッドガールというネコのレスキュー動画『BatGirl Rescue』。このニャンコは、2015年8月の数日間、メープルの木の上で動けなくなっていたのだとか。動画が始まると、まず木にロープをかけ、徐々に登っていくレスキュー隊の男性。再生時間1分を過ぎると……ああ! ニャンコの姿が見えてきたぞ!!

優しい声で話しかけたり撫でたりして、男性は時間をかけてネコを安心させようとする。そしてタイミングを見計らって……ネコの体を抱っこ! バッドガールは暴れることなく、男性の腕の中にスッポリと収まった。その後、ネコは安全のためにバッグに入れられて、地上に降りていくのだった。

しかし、木の上からチラリと見える下界の、なんと遠いこと。こりゃあ、怖くて体が動かなくなってしまうネコの気持ちがよく分かる。

・高い所まで登りすぎるネコの多いこと

また、パンサーというネコの動画『Panther Rescue』も確認してみよう。パンサーは、木の天辺まで登ってしまったので、周辺は細い枝ばかり。そこでレスキュー隊は、出来る限りまで登り、後は特殊な網の中にパンサーを入れようと試みる。

けれども怯えきったパンサーは、なかなか網に入ってくれない。ああ、痛々しい鳴き声が聞こえてくる。けれどもレスキュー隊は根気づよく、辛抱強くパンサーに網を差し出し、説得を続ける。そして1分40秒辺りで……やっとパンサーが網の中へ! 良かった!!

また動画に限らず、写真も公開されている。高い所まで登りすぎるネコのなんと多いことか……。

・ネコは木を降りるのが苦手

確かにネコは木登りが得意だが、ネコの爪の形状は、木を降りるのにあまり適していないのだとか。また「お腹がすいたら、木から降りてくるよ」という考えも、楽観的すぎるようだ。なぜなら2週間も木から降りてこなかったネコや、木の上で息絶えるネコもいるからである。

ちなみに『キャノピー・キャット・レスキュー(CANOPY CAT RESCUE)』は非営利団体なので、すべての活動費は寄付でまかなわれており、ネコのレスキューは無償。興味のある人は、団体の Facebook かホームページをチェックしてみてほしい。活動内容だけでなく、たくさんの動画や写真も掲載されているぞ!

参照元:FacebookCANOPY CAT RESCUE、YouTube [1][2](英語)
執筆:小千谷サチ

▼バッドガール救出動画。焦らないことの大切さも学べる。

▼パンサー救出動画。最後の方に、地上がちらりと映るのだが……その高さにゾッとしちゃうぞ!

▼ネコは木登りが好きだけど……

▼降りるのが苦手ニャ

▼こんな高い所まで!?

▼レスキュー隊が来たから、もう大丈夫だよ!

▼助けてくれてありがとう!