大人をターゲットにした塗り絵 = “大人の塗り絵” が世界で大ヒット中なようだ。フランス発『アンチストレスのための100の塗り絵』の売り上げは350万部以上。米アマゾンのランキングでも、現在6位に『秘密の花園』、13位に『ねむれる森』と、大人の塗り絵が上位にランクインしている。

そこで大人の塗り絵がどんなものかを確かめるべく、上記の『ねむれる森』を実際に塗っている動画「How I colour a bird (blending colours); Enchanted Forest 」を見てみたのだが……塗り絵なのに塗り絵じゃない! 大人の塗り絵は、もはや一つのジャンルである。

・ものすごくきめ細かい

まず動画を見て思ったのが、図柄が細かいということ。私が子供のころに持っていた「カクレンジャーの塗り絵」なんて、せいぜい1ページに50箇所のエリアがあるくらいだったのだが、『ねむれる森』では1ページあたり500箇所くらいはある。動画に出てくる親指サイズの鳥も、それだけで27箇所に分かれている! しかも細かいだけでなく、見た目も芸術的に美しい。

・塗りつぶすだけじゃない

一般的に塗り絵といえば、線に囲まれたエリアを塗りつぶしていくものだと思うのだが、動画では鳥のお腹の1エリアを塗るのにも、4つの色を使い分けている。はじめに赤色の色鉛筆で薄く全体を塗り、その上をオレンジ色、青色、紫色の、3色の色鉛筆を使いながら丁寧に塗っていく。

そんなこんなで、3分間経った時点でまだ1エリアしか塗り終わっていない。最終的に、親指サイズの鳥を塗るだけで10分間かかっていた! 実にディープな世界である。

・本当に癒し効果!?

ところで、“癒し” や “アートセラピー” などの謳い文句とともに宣伝されることが多い大人の絵本だが、実際には逆に疲れてしまう人も多いようだ。……確かに、ここまで真剣に塗っていたら、失敗して逆にイライラすることがあってもおかしくない。

大人の塗り絵が “アートセラピー” と宣伝されていることを疑問視する専門家も多いようで、オーストラリアのアートセラピー協会会長ジョー・ケリー博士は「塗り絵がカウンセリングの一環として使われることもあるが、実際のアートセラピーはもっと複雑なものだ」と語った。

・魅力的なのは間違いない

はたして本当に大人の塗り絵がアートセラピーになるのかはさておき、魅力的な時間の使い方であることは間違いないだろう。特に、ひとつの作業にじっくりと時間を注ぎ込みたいタイプの人にはオススメだ! ちなみに、上記の動画を投稿したYouTubeチャンネルの「Maggies Colours」には、他にも多くの “塗り方動画” が掲載されているので、気になる人は確認してみよう。

参照元:YouTube(Maggies Colours)ABC(英語)
執筆:ゴールド土方

▼こちらが『ねむれる森』を実際に塗っている動画だ

▼他にも様々な “塗り方動画YouTubeチャンネル” があるぞ