突然だが、中国の四川省と言えば何を思い浮かべるだろうか? 麻婆豆腐の発祥地であり、パンダの生息地。『三国志』の劉備が地盤とした蜀(しょく)の国があった地でもある。

いま、そんな四川に新たなレジェンドが誕生しようとしている。あるファッションが一世風靡しているという。それも、つけると “頭の上に草花を生える髪飾り”。全く何を言っているのかわからないと思うが、百聞は一見にしかず。まずは動画「“豆芽花”髪卡的美 你get了嗎? 150828 網羅天下」を確認してみよう。

・四川省で流行の髪飾り「豆芽花」

その髪飾りの名は「豆芽花」と書いて「ドウヤーファー」と読む。髪留めからニョロっと植物が生えているのだが、これをつけると頭に草木が生えているように見えるのだ。カイワレダイコン的な双葉、ハス、桜、菊……何でもある。

子供ならまだ可愛いけど……って、大の男まで装着しちゃってシュールすぎるだろ!? 全くもってわけがわからないのだが、これが「萌えアピールの神アイテム」と四川省の省都・成都を席巻。すると、Twitter で話題となり、世界に衝撃を与えた。

・Wi-Fi を感知できるという噂

人々がぞろぞろ頭に芽や花を生やしている様子は、まるでピクミンの群れだ。引っこ抜かれて、また生えて、食べられる、あのピクミンみたいだ。そんなピクミン野郎は、なぜか「Wi-Fi を感知できる」という噂まで出ている。ただの髪留めにプラスチックや塩ビのカイワレダイコン的なものがくっついているだけだ。噂であろう。

ちなみに、お値段は1個3元~5元(約60~90円)で売られていることが多いという。ひとつあたりは安価ではあるが、爆売れしているらしく、1日で何百元も稼げてしまうのだとか(100元=約1900円)。

・流行の発端は「アニメキャラ」らしい

それにしても、なぜ急に四川人は頭に草を生やすことに萌えるようになったのか……。これが一番の謎だ。

この謎について江蘇電視台は、中国の人気アニメが元ネタ説を紹介したいる。アニメ『喜羊羊(シーヤンヤン)』に登場するキャラクター・村長の “慢羊羊(マンヤンヤン)” が考え事をする際に、頭から双葉を生やすという描写に着想を得て、この「萌えアピールの神アイテム」が誕生したというのだ。マジか。

・他地域へも広がる

昔の中国では「草をさして街頭に立つ=身売り」であったが、今や「萌えアピール」とは、時代が変わったものですなぁ!

なお、当初、四川省・成都で爆発的な人気と報じられたが、それから1週間足らずで北京、河南省鄭州、そしてアモイにあるコロンス島などでも、「豆芽花」の販売が確認されているようだ。中国全土で人民に頭に草が生える日も近いのかもしれない。

参照元:Twitter @PDChina、Youku [1][2]Ecns.cn西部網中原網(中国語)
執筆:沢井メグ

▼こちらが「豆芽花」を装備した市民

▼シュールの一言だ

▼ピクミンっぽい

▼元ネタはアニメ『喜羊羊』のキャラ。村長の慢羊羊とのこと

▼考え事をすると、頭から芽が出るのだとか

▼動画もあるよ!(中国サイト、表示されない場合があります)