海外でもいわゆる “日本のマナー” に従っていれば、めったに大失敗することはない。よく「日本人って、礼儀正しいよな」と言われるのも、そういうことなのだろう。ただ、それでも「つい知らずにマナー違反してしまった」という事も、当然出てくる。これを、私は “異文化交流の落とし穴” と呼んでいる。

“異文化交流の落とし穴” ……これは油断できないもので、今までも、デートから飲み会まで、様々なシーンでの失敗談を聞いてきた。そこで、今回は東京大学で働いていたイギリス人のジェームズくんに聞いた、海外で失敗しないために押さえておきたい5つのマナーを紹介したい。

・食べ物をすするらない

日本では麺類はすするのが作法なのだが、これはヨーロッパやアメリカでは絶対にアウト! ズズズっという音が生理的に無理なのだ。文化なのはわかっているが、苦手なものは苦手なのだ。

そして意外と盲点なのが、味噌汁や丼もの、そしてお茶などだ。これもついつい すすってしまいがちなのだが、外国にいったときや、外国人の周りでは気をつけたい。

・鼻をすすらない

日本には「人前で鼻をかむのは恥ずかしい」という価値観がある。なので、鼻をすする音より鼻をかむ音のほうが不快! と思う人が多いかもしれない。ただ欧米ではその真逆で、鼻をかむ音にはあまり抵抗がないのだが、鼻をすする音には敏感なのだ。

・ハンドサインを使わない

「ダメという意味で両手の人差し指でバッテンを作る仕草。初めは何の意味かわからず、不快に感じてしまった」と語るジェームズくん。

他にも裏ピースは英国では侮蔑の仕草、日本式手招きは人を追い払う仕草となる。ただ細かく見ていくと、中東ではグーサインが侮辱に使われたり、ギリシャではマルサインがお尻の穴の意味だったりと、わかりにくい! よくわからない時は、ハンドサインを控えた方が良いのかも?

・目をそらさない

日本人はアイコンタクトを避ける習慣がある。ただ会話中にこれをしてしまうと、挙動不審に思われてしまうことも。なので、しっかり相手の目を見よう。

他にも日本では他人と目があったら無表情でさっと目をそらす習慣があるが、これも無愛想だと思われてしまう。代わりにニコッと笑顔を飛ばしてから目をそらすのが、国際派紳士流だ。

・ドアを押さえてあげる

海外の多くの地域では、後の人のために、ドアを押さえてあげるという習慣がある。というのも海外のドアは日本に比べてやたらと重いことが多いので、逆に押さえておいてあげないと、後ろの人に勢い良くバーンッ! の可能性があるのだ。

──以上がジェームズくんが選んだ、海外で気をつけたい5つのポイントだ! 「海外」という漠然とした括りで話を進めたので、地域間でズレがあるかもしれない。だが、最初の二つの “異文化交流の落とし穴” は、特に多くの地域に適用されるのではないだろうか。

かくいう私も海外生活が長い割に、ついつい鼻をすすってしまうことがあるので、気を付けたいところだ。

執筆:ゴールド土方
協力:James McCormac
Photo:RocketNews24.

▼これは “ダメ”