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梅雨も終わりにさしかかり、季節は夏真っ盛り! こんなときは美味しいビールでも飲んで涼みたいものだが、毎年同じようにビールを飲んでいたのでは正直ツマラナイ。

飲むのは同じビールだけど、飲み方を変えたらもっと美味しくならないかな? と思った筆者。かなり無理な質問ではあるのだが、とあるビールをこよなく愛する男性に答えてもらえることになった。

それは、キリンビール商品開発研究所の「蒲生徹」さん。彼はビール通を唸らせる『グランドキリン』などのさまざまな名酒を開発し、キリンビールのなかでも有数のビールマニアとして知られている。

そんな蒲生さんが教えてくれる「一番美味しくビールを飲む方法」なら、絶対いつもよりメチャウマいに違いない!!! ということで早速質問してみたところ、あまりにハイレベルすぎる返事が返ってきて笑った(笑)。

記者(記):取材のご対応ありがとうございます! 今日はあの伝説のビール『グランドキリン』を作られた蒲生さんにお会いできて嬉しいです! ブヒッ!

蒲生さん(蒲):い、いえ……よろしくお願いします。

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記:本題に入る前に、まず蒲生さんがグランドキリンを作られるにあたって一番苦労した点などありましたら教えていただけますか?

蒲:そうですね……じつは味を美味しくするのはわりと簡単にできてしまったのです。

記:簡単に!?(こ、この人天才か!)すごい、味はわりと簡単にできちゃったんですね……。

蒲:はい…ですが、「なぜ美味しくなるのか」を検証するのが大変でした。それが分からないと商品化できないので。

記:「美味しさの検証」って…(やはり、天才)。グランドキリンに使われている特殊な“「ディップホップ」製法”の開発も簡単だったのでは?

蒲:いやいや大変でしたよ。醸造用の設備にホップ入れすぎて詰まらせちゃったりとか(笑)。しかしこの製法でキリンビールは特許を取るぐらい、グランドキリンにとって重要な製法のひとつを確立することができました。

▼”「ディップホップ」製法”は、絶妙なホップ投入のタイミングで、華やかさと重厚感を両立させているらしい。
ディップホップ製法

記:(メチャ高い設備を詰まらせるとか……)なるほど! やはりグランドキリンのような美味しいビールを作るには、たとえプロでも失敗を重ねているんですね!

蒲:やはりミスすることもありますし、さらに何回も試飲する必要があります。舐める程度ではなく通常の飲み方と同じように飲んだりしなければなりませんので……。

記:そんなに飲んで大丈夫ですか?

蒲:大丈夫です。問題ありません。健康診断も通常の範囲内ですし、何よりビールが好きなので。

記:ビール以外のお酒が飲みたいってときはないんですか?

蒲:ないですね(笑)。プライベートでもいつもビールです。

記:根っからのビール好きですね! ビール馬鹿というか…。褒めてるんですよ! では本題に入りますが、蒲生さんが考える「一番美味しくビールを飲む方法」とはなんですか?

蒲:ビールの味にもよるんですが、やはり1人で暗い部屋のなかテーブルに向かい、ビールに神経を集中して飲むことがもっともビールの味が分かる飲み方だと思います。

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記:(アカン、ハイレベルすぎる……)え、1人でですか!?しかも、暗い部屋…なんか同僚とか奥さんとかと一緒に飲んだりはしないんでしょうか?

蒲:しないですね。というか、最近妻も同僚も飲みに付き合ってくれないので、1人で飲んでます(笑)。ビールを飲むと「こうしたらもっと美味しいのに」や「こうやって作っているのかな?」などの考えが生まれてしまって、無口になるんですよ。

記:な、なるほど……常にビールなんですね。なんかもうちょっと素人でも楽しめる飲み方とか、美味しいお店を見分けるコツみたいなのってありますかね……?

蒲:そうですね、夏っぽいさっぱりとしたビールは口に含む量をいつもより少し多めにすると、味がはっきりして美味しくなると思います。美味しいお店を見分けるコツはやはり「繁盛しているか」ですね。繁盛しているお店だと樽の交換も早く洗浄もきちんとされていることが多いので、やはり美味しいですよ。

記:ちなみに、グランドキリンを美味しく飲む方法ありますか?編集部一同気になっておりまして。

蒲:グラスを使ってみてください!グランドキリンは基本、ビンで美味しく飲むことを前提に作っているんですが、ビンから直接飲んだ時、泡は食べられないんですよ。泡があると、接地面の苦みが泡の方に移り、ビール全体がマイルドな味に感じられます。

記:なるほど! 泡ですか。ありがとうございます。非常にタメになりました。

蒲:良かったら試験醸造の設備を見学されますか?

記:え、いいんですか! ぜひ!

――といった流れで、あまりにマニアックすぎる蒲生さんへの取材は終了となった。

試験醸造の設備では発酵のはじまりから終わりまでを見せてもらうなどヒジョーに興味深いものがたくさんあったが、毎日この大量のビールを見つつ飲んで確かめ、美味しいものを消費者に届けるには常人ではできない技術や苦労があるのだろう。

やはり、本物のビールマニアはすごかった。“暗闇でビールを1人で飲んだり”、“泡を食べたり”と、ただの晩酌好きには想像できない世界が広がっていた。改めて、事務所へ戻り蒲生さんの話を思い出しつつグランドキリンを1人でゆっくりと飲むと、「あ、言ってたとおり1人で集中してビールを飲むのも悪くないな」と思ってしまったのであった。

ちなみに、7月14日(火)より、“夏に飲みたくなる味”がコンセプトの「グランドキリン ギャラクシーホップ」が発売するらしい。こちらも期待です!

そんな個性の豊かなグランドキリンシリーズぜひこの機会にご賞味あれ。

Photo:Rocketnews24

▼特別に試験醸造の設備に入れてくれた。関係者以外めったに入ることはできないらしい。
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グランドキリンはコンビニエンスストア限定発売。※一部、取扱いのないチェーン・店舗があります。

商品に関するお問い合わせは、キリンビールお客様相談室まで
0120-111-560(フリーダイヤル)
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