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2015年6月27日に台湾で起きた遊園地爆発炎上事故。一面、火の海となった会場では約500名が負傷し、うち全身の90%以上を火傷した20歳の女性が29日に亡くなったと伝えられた。

その痛ましい事故の原因は、「イベントで使用したカラーパウダーによる粉塵(ふんじん)爆発」ではないかと見られていると言うが、粉塵爆発とは一体何なのだろう。小麦粉でも炎が上がるという粉塵爆発の凄まじさはYouTubeの実験動画で確認できる。

・「粉塵爆発」とは?

「粉塵爆発」とは、あまり聞きなれない言葉だが、文字通り「チリのような細かい粒子により起こる爆発」であり、空気中に粉塵が浮遊している状態で、一定の条件がそろったときに起こる爆発なのだという。日清エンジニアリングによると、その主な3つの条件は以下の通りだ。

(1)粉じんの粒子が微粉の状態で、空気中に一定の濃度で浮遊(粉じん雲)
(2)発火源(エネルギー)の存在
(3)空気中の酸素(日清エンジニアリング公式サイトより引用)

・ほんの少しの粉砂糖でも炎の柱が上がる

この粉塵爆発は、特殊な粉でなくても、たとえば小麦粉や粉砂糖のような身近なものでも起きるそうだ。ちょっと信じられないが、まずは実験動画を見てみよう。

テーブルの上に置いた粉には直接火をつけても、燃えたりはしない。マッチの炎に向かって、粉を吹きかけると……小さなマッチの火が、まるでドラゴンが吐く炎のように大きく燃え上がるのだ。

また、密閉した容器に、粉とロウソクなど発火源を入れ、空気を送って容器の中の粉を舞い上がらせると……激しい爆発と共にやはり火柱があがるのである。

・台湾の事故はカラーパウダーによる粉塵爆発か

今回の台湾の遊園地爆発炎上事故については、詳しい原因は現在調査中だが、会場でカラーパウダーを噴射するというアトラクションが行われており、粉塵爆発の可能性が指摘されている。

二度とこのような事故が起きないことを願うとともに、負傷された方の一日も早い回復を、そして亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。

参照元:日清エンジニアリング、YouTube [1][2]ET Today(中国語)
執筆:沢井メグ

▼こちらがその実験動画、2種類の「粉塵爆発」の実験が収められている

▼こちらは粉砂糖を使った実験、シンプルでわかりやすい