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ベトナムの首都ハノイの中心部に、今どき珍しい常設のサーカス小屋がある。大きく立派な建物だが、観光地としてはいまひとつ垢抜けないマイナーな存在だ。

ステージは朝9時と夜20時の二部構成。朝9時スタートの回を観たい場合、遅くとも8時半までに入場せねばならず、かなりの早起きを要求される。対して夜の回は終了が23時過ぎと、もはや深夜ともいえる時間帯。いずれにしても尋常ではない。

さびれ果て、昼は皆でカラオケ大会やっているらしいぜ……という謎の噂を耳にして、逆に興味津々。確かめるべく行ってみた!

・サーカスのみなさん!バカにしてごめんよ!

あくびを連発しながらニッコーホテル斜め向かいのサーカス小屋に着いたのは早朝8時。建物は古びているが、一等地にこれだけの常設小屋があるのはすごい。若干早めに着いてみたら何と私が今日一番の客だった……。

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チケットは10万ドン(約500円)。ちなみに朝の部は夜(15万ドン)より安めの設定だ。アオザイ姿のお姉さんに案内され、中に入るとすり鉢状の客席は子供連れのママだらけ。ただし平日早朝ということで客の入りは4分ほどだった。

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ステージが始まってびっくり! 間延び感一切なし。さびれ果てだの、カラオケ大会だのといった発言を土下座して謝らなければならないほど緊張感たっぷり。朝っぱらからこれはどうなんだ……と、家族連れがシーンと静まり返ってしまうような、大人向けのムーディな演目もあった。要するに、ムチャクチャ面白かった。

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中盤からは動物芸が続く。サルや熊が自転車に乗るところまでは普通に眺めていたが、ステージ上を爆走するスクーターに乗った熊を目の当たりにしたときは、驚きのあまり言葉が出なかった。熊がバイクに乗れるんだから、もし僕にベトナムの調教師がついたら来年東大に入れるかもな。やれば何でもできるんだね……。

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雰囲気の片鱗を味わって頂けるよう、短い動画を作ってみた。実物はもっともっとスゴいのはいいとして、堂々と撮影しても何も言われない雰囲気のゆるさもまたステキ。夜の部はさらにスケールの大きい演目が目白押しという噂。チャンスがあれば、ぜひ訪れてみていただきたい!

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

▼バイク好きの熊も出てくるよ!

▼熊がバイクに乗れるとは……
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▼町のほぼ中心部にそびえるサーカス小屋
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▼年季の入った建物。お決まりの色抜けしたピエロさん
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▼近づくとひび割れて少し怖い
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▼すり鉢状の内部は雰囲気満点!
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▼アオザイ姿で貫禄十分の誘導お姉さん
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▼朝はがらがらだったけど夜は超満員。夜更かしもほどほどにな!
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