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夏はかき氷の季節! 毎年美味しい氷を出す店が話題になるのだが、今年はとくにかき氷戦争が激化している。ミスタードーナツが「コットンスノー」の味を進化させ、東京・原宿には台湾の人気店「アイスモンスター」が出店している。台東区谷中の老舗「ひみつ堂」には相変わらず長い行列。かき氷戦国時代といっても過言ではないだろう。

・天童市の腰掛庵

東京に限らず、全国各地の名店がご当地で親しまれる味を提供していることだろう。たとえば山形県の場合、天童市の腰掛庵が大変有名だ。実はこの店、一時氷の販売ができなくなっていたようである。2015年6月2日の販売再開にあたり次のように報告している。

・かき氷発売再開のお知らせ

待望の氷復活です。今年の夏は山形最上の池山寺にてかき氷の喫茶室を設け復活することになりました。昨年の突然の喫茶中止より長いトンネルを抜け、最上の霊場山寺にて氷を提供する慶びに沸いております。

もう氷を造ることが出来ないのではないか。お客様の笑顔が失われてしまうのではないか。この度、山寺の家主様の厚いご恩情を受け賜り復活させて頂けることに深く感謝申し上げます。また、ご待望頂いておりましたお客様に深く深く御礼申し上げます(腰掛庵のお知らせより引用)

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・情熱が伝わってくる

これだけアツい思いをもって、かき氷を提供しているお店があるだろうか? 事情はわからないのだが、2014年の販売中止は同店にとって苦渋の決断だったと容易に想像がつく。この文章から中止を深く後悔していることさえ、垣間見えてくるのだ。販売再開について、客よりもお店の方がはるかに喜んでいると思えてくる。実物を見なくても情熱が伝わってくる。

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・かき氷を食べられる場所

お店、天童店は出羽桜美術館の近くにあるのだが、ここにイートインスペースはない。元はここで氷を提供していたのだが、今年は車で約10分ほどにある「山寺」と呼ばれる根本中堂近くに店舗を構え、ここでかき氷の販売を行っている。

・人気の「木いちごとすぐりみるく」

実際にお店で氷を食べてみると、まず氷の繊細さに驚く。天然氷を使用しているらしく、氷の粒が大変きめ細かい。真綿のように降り積もる雪を連想させる。これに自家製のシロップと練乳たっぷり。色彩も鮮やかで見た目も美しい。

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私(佐藤)は人気メニューの「木いちごとすぐりみるく」を食べてみた。いちごというと甘くて酸っぱい味が魅力である。店によっては酸っぱさが勝っていてトゲトゲしいと感じることがあるのだが、ここの木いちごはまろやかな甘さだ。氷の繊細な食感を壊さないように、丸みのある味に仕上がっている。品格のある美味しさに、思わず唸ってしまう。

・和の美味しさ全開

立て続けに「宇治金時みるく」も注文。こちらは、華やかな宇治茶の苦味と、餡子の甘さが見事に調和している。さらに練乳の甘さも加わり、食べていて楽しくなってしまう。これぞ日本の氷だ! 和のスイーツの骨頂である。

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ちなみにここのわらび餅は絶品としか言いようがない。わらび餅については改めてお伝えしたいと思う。とにかく山形へ行ったら、腰掛庵に行くことをおすすめする。販売が再開したかき氷を食べてみて欲しい。

・今回紹介した店舗の情報

店名 腰掛庵
住所 山形県山形市山寺4437-1
営業時間 9:30~売り切れまで
定休日 月曜日

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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▼暑ければ暑いほどウマい! 販売再開してよかった
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