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次々と新しい記録が作られるスポーツ界。「記録は破るためにあり、破られるためにある」とはよくいったものだが、世界中が驚愕する記録が打ち立てられる一方で、信じられないような記録が生まれるのもまたスポーツだ。

ということで今回は、そんな数ある信じられない記録のうち伝説を作った一人の陸上選手をご紹介したい。100メートル走を驚異のスピードで駆け抜けた選手は、動画「Daegu 2011 – 100m – Sogelau Tuvalu 15,66s」で確認できるぞ!

・世界陸上の予備予選

舞台は2011年の韓国テグで行われた世界陸上……その予備予選でのことである。世界陸上といえば、世界トップクラスの選手が集う大会。しかし、そのレースでは驚きの展開となった。

・過去最低記録を更新

というのも、第7レーンを走るサモアのソゲラウ・ツバル選手に注目して欲しい。いざ、レースが始まると……な、なんということだろうか! 一斉に選手たちが走り出したと思いきや、みるみるうちに差が拡大! 彼はひとりポツンと取り残されてしまうのである!!

最終的に大きく離されてゴールした彼の走破タイムは15・66秒。世界最速のウサイン・ボルト選手が記録した9・58秒の倍に迫ろうかというタイムは、過去最低記録という結果になってしまった。

・過去最低記録について

ちなみに彼の15・66秒の前に記録された過去最低タイムは、同じアメリカンサモア出身のトレボア・ミシペカ選手が記録した14・28秒。アメリカンサモアは人口が少ないこともあり、17年間もの間ナショナルサッカーチームが勝利なしであったような不名誉な記録を複数持っている。

とはいえ、走り終えた彼の表情は実に清々しく、参加することに意義があるというのが伝わってくるのがこの動画。重要なのは、成功することではなく努力すること。そう、大事なのは勝ったかどうかではなく、よく戦ったかどうかなのだ。

参照元:YouTube日刊スポーツ
執筆:原田たかし

▼過去最低タイムを記録したレース

▼こちらはインタビューの様子

▼前記録を持っていたトレボア・ミシペカ選手