1

Amazonや楽天などの、ネットショッピング。お外に出なくても、ワンクリックでお買物できるのだから、実に便利なものだ。しかし製品を実際に見ることができないのが、当然とはいえ “玉にキズ”。

そこで大きな味方になるのが、製品レビューである。実際に使ってみた人々の様々な意見を参考に、購入をジックリと検討できるからだ。が、なぜだろう。筆者は、なぜだか低評価レビューばかり読んでしまうのだ。あの気持ちは、一体なんなのか?

・例えば Amazon のレビュー

例えば Amazon。商品紹介ページの下の方に、「カスタマーレビュー」という項目がある。実際にその製品を使った人々の “生の声” が書き込まれているのだが、ここで星5つが何人、星4つが何人などと、評価の傾向を知ることができる。

もちろん、購入を検討している製品で星5つや4つの高評価が多いと、こちらも「よし、買いだな!」とテンションも自ずと高くなるものだ。

しかしなぜだろう? 私(筆者)は、高評価レビュー文を読みたいとはあまり思えず、低評価レビュー文ばかりに心惹かれてしまうのだ。分かっている。もちろん、低評価レビューには「買って後悔しました」「安物買いの銭失いです」「粗悪品です」等のネガティブな言葉のオンパレード。この製品はダメダメで、絶対に手を出してはいけない感じが漂っているのだ。

中には、「○○部分は良いのですが、××がダメです。期待も込めて評価は辛目の星2つとしておきます」などの冷静なものもある。しかし、「あー、買って損した! もう2度と買いません!!」 などと、レビュアーが怒りにまかせて書き込んだ文章も多い。こうなれば、さすがに気分も暗くなろう。karakuchisugi

それでも! それでも、高評価レビューよりも、低評価レビューの方が読んでいて楽しい!! ナゼだ……と考えていて、フッと思いついたのが「私は人間の負の面を見たくて、低評価レビューを読んでいるのかもしれない」という説だ。

自分が満たされないので、キラキラした高評価ではなくて、ドロドロとした低評価を求めてしまうのではないか? 1つの製品にそこまでの憎悪を抱くことができる、人間の心の闇を見たいのではないか? 

もしくは、「素晴らしい毒舌が聞きたい」という理由も考えられる。高評価だとベタ褒め文章であったり、「俺って / 私って違いが分かるのよね〜」と自己陶酔型であったりと読んでいて退屈な傾向にある。

しかしキレッキレの低評価レビューを読むと、「なるほど、そう見るか」とスカッとするのだ。実際、そんなレベルの高い低評価レビューには滅多にお目にかかれないので、あの痛快さを希求しながら、今日も星1つのレビューをクリックし続けている……のかもしれない。

ちなみに、低評価レビューをたくさん読んで、製品の購入を控えるかというと、そうでもない。評価分布を気にし、高評価レビューをザッと斜め読みをして、製品購入に至ることも多い。私(筆者)にとって「低評価レビュー」を読むことは、あくまでも心の裏側がくすぐられるエンターテインメント性の高い行為なのだった。

執筆:小千谷サチ
イラスト: マミヤ狂四郎
Photo: RocketNews24.