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芸能界屈指の食通として知られるタモリさん。そのタモリさんが日本一おいしいと激賞していたという、うなぎ屋が福岡・博多にあるそうだ。ネット上でささやかれている噂によると、中洲の「吉塚うなぎ屋 本店」とのこと。

噂の真偽はさだかではないのだが、噂されるほどの実力を持ったお店であるに違いない。ということで、このお店に行ってみたところ、うなぎの味もさることながら、入店時に掃除をするスタッフの姿に驚愕してしまった。さすが名店といわれるだけはある。掃除からしてハンパではない。

・跪いて雑巾がけ

お店は中洲の東側、博多川通りに面したところにある。建物に近づくと、鰻を焼くいい匂いが周囲に漂っているので、すぐにお店を発見できるはずである。

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大変立派な建物に驚きながら1階入り口から入ると、和装の女性スタッフが雑巾がけしているのが見えた。彼女はなんと床に跪いて、床を拭き掃除していたのである。モップで拭けば良いものを。まさかここだけでなく、広い店内すべてを跪いて雑巾がけしているのだろうか。実際のところはわからないのだが、店内はチリひとつないと言っても、決して言いすぎではないほどキレイだった。

・タモリさんは何を食べる?

このお店にタモリさんが来ているとしたら、一体何を注文するのだろうか。うな丼なのか、それともうな重なのか。もしくは単品でオーダーしているのか。考えたところで想像することさえできないので、自分なりに思い切った注文として特うな重(3607円)をお願いした。

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・タレだけが出てきた

しばらくすると、平たい皿に入ったタレだけが運ばれてきた。これは付けダレとして使うのか、それともうな重の上からかけるのか。使い方が良くわからずにスタッフに尋ねると、「付けてもかけてもどちらでもどうぞ」とのこと。そうは言われたけど、本当は一般的な使い方があるんじゃないのか……。

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・匂いだけで飯3杯行けそう

さらに少し時間を経て、うな重と共に肝吸い登場。テーブルに到達する前から、うなぎの香ばしい匂いと肝吸いに浮かんでいるであろう三つ葉の香りがプンプンと漂っている。この匂いだけで飯が3杯は食えそうだ。

・タレでヒタヒタではない

そしてうなぎとご対面! 表面は大変美しい焼き色についており、その下からふっくらとした白い身が顔を覗かせている。重箱の赤さがこの2つの色彩を引き立てているように見える。美しい、これほどまでに日本人の心を捉える色合いはあまりないはずだ。それにしても、蒲焼であるはずなのに、タレがしっかりと付いている訳ではなさそうだ。先に出された付けダレの用途がようやくわかった。味の加減は自分で調整するということらしい。

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・品のある味

さて、付けダレにサッとつけてうなぎを頬張ると、うなぎ特有の臭みを一切感じないことに気付いた。あの泥臭さが苦手という人も多いはず。その臭みがない。しかしうなぎの旨味は損なわれていないのだ。口当たりはホクホクとしていて、食べるうちに身の甘さがジワリと広がってくる。なんと品のあるうなぎだろうか。

・うなぎの味を知る

私はヒタヒタにタレを付けて食べるうなぎが美味しいと思っていた。しかし当然ながらタレの味がうなぎの味ではない。ここのうなぎはそのことを教えてくれているようである。それにしても食べるのが惜しい! 食べ切るのが切ない! 一切れ食べるたびに幸せな気持ちになると同時に、皿から消えていく悲しみが交互に押し寄せてくる。

食べたい! でも食べるとなくなる! 出来ればずっと食べていたい。そう思わせられる至極の逸品である。

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・今回紹介した店舗の情報

店名 吉塚うなぎ屋 本店
住所 福岡県福岡市博多区中洲2-8-27
営業時間 11:00~20:30
定休日 水曜日

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

▼タモリさんが来るとしたら、一体何を食べているのか。わからないので、奮発して特うな重を注文
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▼最初にタレだけ出てきた
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▼これが特うな重(3607円)
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▼肝吸いつき
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▼下の重にご飯
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▼タレはかけても良いとのことだったので、思い切ってかけてみた
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