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みなさんは、最近 “あの場所” にお世話になっているだろうか? 愛し合う者たちが憩う現代のオアシス…… 愛のホテル「ラ・ブ・ホ」である。「よく行くよ!」「一回も行ったことがない」と使用頻度は人様々だろうが、その舞台裏でなにが起こっているか知っている人は少ないはず……。

というわけで今回は、元ラブホ従業員である筆者が、実際に見て驚いた「ラブホ舞台裏」をお伝えしたい。激しく愛が交わるあの場所では、実はこんなことが起こっていたのだ!

・その1:客の使用済みタオルで食器を拭く

ラブホに限らず、宿泊施設の個室に備え付けられている湯沸しポットやカップ。多くの人が一戦交える前後に、コーヒーや紅茶などを飲んではホッと一息ついているはずだ。しかし、そのカップは本当に清潔だろうか……?

筆者の働いていたラブホでは、前の客が使ったカップなどは、その個室の洗面台で洗浄し、タオルで拭いて乾燥させていた。通常は専用のタオルで食器を拭くのだが、繁盛期などタオルが足りなくなることがある。そんなとき…… “前の客の使用済み” バスタオルやハンドタオル、バスマットなどで食器を拭くスタッフがいたのである! 不潔……どころではなく、だれか病気になるのでは……と恐ろしかった。

・その2:清掃員同士で “テレビ” を見てワイワイ

愛の営みを盛り上げるために “大人向け映像” を見るカップルも多いことだろう。ということで我がホテルには、「次のお客さんのために、テレビは “大人向け映像” チャンネルにセットしておくべし」という清掃ルールが存在した。

清掃中にテレビをつけて “大人のチャンネル” に合わせるのだが、映像の中で行われていることについて、清掃員同士で「ひえー、こんなことできない」「すごいね」などとワイワイ盛り上がることも。カップルが熱い戦いを繰り広げてる隣室では、なんとものどかな会話が交わされていたのであった。

・その3:部屋に入る前から

愛を確かめる場所であるラブホ。「早く! 早く!! 早く愛を確かめたい……!」と気持ちがはやるのはよく分かる。けれども、その気持ちを抑えながらお部屋に入り、ドアと鍵を閉めてイザ!……となるのが通常の流れだ。それなのに中には、「ああん! お部屋に入るまでなんて、待ちきれない!!」という人々もいるのである。

廊下やエレベーターなどで刀をサヤから抜きはじめたり、なにやら不穏な空気を醸し出すセッカチさんたち。しかし、監視カメラはバッチリ見ているので、「これ以上は危険!」というときは強面のマネージャーが止めに入っていた。

・その4:「旦那と一緒に過ごしたくないから」と働くお姉さま方

「どんな人々が、どんな理由でラブホで働いているか」も、驚きポイントの一つ。筆者が働いていたラブホでは、20代から50代の女性ばかりで、しかもキレイで色っぽいお姉さま方が多かった。

働く理由は、「女一人で子供を育てているため、急な休みが取りやすい職場だったから」「ホストに貢ぐために、夜勤でバリバリ稼ぎたかったから」「知り合いが働いていたから」など……そして「休日に旦那と同じ家にいたくなかったから」という奥様が何人も……。人生の酸っぱさを感じたものである。

・その5:年に1回はウンコが落ちている部屋

ラブホには、色々なテーマが設けられた部屋が存在する。ピンクとフリル満載の「お姫様部屋」や壁一面がヒョウ柄の「アニマル部屋」……そして “クサリがたくさんついた器具” や “偽の牢屋” が設置された「お仕置き部屋」。ここで一体どんなお仕置きが行われるのかは全くもって不明だが、なぜだかウンコが残されていることがあった。

スリッパの上にチンマリと置かれたウンコ。床の上で踏まれたウンコ。ベッドの上に……(以下略)と、その頻度は年1回ほどだと先輩清掃員は話していた。ちなみに、他の部屋にウンコが落ちていたことはない。“お仕置き” 部屋にウンコをもよおさせる力があったのか、はたまた常連さんがその部屋でウンコをするのが好きだったのかは謎だ。

──以上である。日本中に星の数ほど存在するラブホテル。きっとそれぞれのホテルが、それぞれの顔を持っているはずだ。ここに書いたことも、筆者が働いていたホテルならではの現象だったのかもしれない……。

執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24