140roses

それは今から2年前、2013年6月のことだった。ニューヨーク市地下鉄6号線に乗っていたマリア・ロペスさんがたまたま遭遇した花売りの光景。彼女はそのときの心温まる光景をネット上に公開。これが最近になって海外ネットユーザーの間で注目を集めている。

1本1ドルのバラを販売している花売りの前に、1人の紳士があらわれた。彼はバラの値段を尋ねると、全部買うと言い出したのだ。しかも次の駅に到着するとバラを一輪も手にすることなく電車を降りてしまった。一体どうしたというのだろうか?

・地下鉄の花売り

ロペスさんは動画の説明で、花売りの女性を「貧しい女性」と説明している。いくら美しいバラでも飛ぶように売れることはなく、買う人でも2~3本買うのが相場のようである。1日中電車に乗っていたところで、稼ぎは知れているのかもしれない。

・花束全部

ところが花売りの前に立った紳士は、バラの値段を聞くと全部買うと言い出したのだ。花売りの女性は彼が何を言っているのかわからず、もう一度、彼の意思を確かめる。そして全部で140ドル(約1万6800円)であることを伝えると、彼はお金を取り出して彼女に渡したのだ。

・今日はいい日だ

しかも彼は、自分が買ったバラを乗車している人に配るように伝えたのだ。みんなに配ってくれるように、と。「今日はいい日だ」、それだけを理由に花束を買って人々に配る。その心意気に花売りの女性は思わず涙を流してしまう。

・一輪も持たず

紳士は「約束してくれるかい?」と尋ねる。すると花売りの女性は涙ながらに「約束する」。そう言葉を交わして、次の停車駅で紳士は、一輪も持たずに電車を降りていってしまった。

・紳士

何という粋な行動だろうか。たまたま動画で撮影されていたから、彼の行動は多くの人に知られることになったのだが、カメラの存在に気付いている様子がない。誰に知られることがなくても、このような行動をしているのだろう。紳士と呼ぶに値する人物ではないだろうか。素敵すぎる。

参照元:YouTubeTime.com(英語)
執筆:佐藤英典