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ペットを飼っている人の悩み「旅行時にペットをどうするか?」。知り合いやペットシッターに留守番を頼む、動物病院やペットホテルに預ける、旅行を短期間にする、一緒に連れて行く……など、なんらかの対策を講じなければならないのだ。

しかしペットを外に連れ出した場合、思わぬ惨事が起こることがある。フェリックスという名のネコのように……。フェリックスは、引っ越しのために飛行機に乗らなければならなかったのだが、なんと広い空港で行方不明になってしまったのだ。

・JFK空港でネコが失踪

2015年4月1日、米ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港(以下、JFK空港)で1匹のネコが失踪した。ジェニファー・スチュワートさんと、夫のジョセフ・ナーマンさんの飼いネコ、フェリックスだ。3年間暮らしていたアブダビから、アメリカに戻ってきた2人と1匹。

夫婦は、搭乗するエティハド航空の指示に従ってネコ用ケージを購入した上で、1200ドル(約14万5000円)の特別料金を支払って航空会社にフェリックスを預けた。しかし、到着した JFK空港で聞かされたのは、「フェリックスが逃げ出した」というニュースだったのである。

・ケージが破損していた

怖がりで、すばしっこく、知らない場所が苦手なネコが、巨大な空港で失踪する……これが、いかに恐ろしい状況かは、ネコを飼っていない人でも想像がつくだろう。その悲しいニュースを聞かされ、飼い主夫妻もぼう然とするしかなかったはずだ。

ネコが失踪した原因となったのは、荷物の運搬時にケージが破壊されたから。CNN が公開した写真を見ると、ケージの天井と側面に大きな穴が開いており、いかに手荒に扱われたかが一目で分かるのだった。

・フェリックスはまだ見つかっていない

けれども、スチュワートさんたちは悲しんでいるだけではない。失踪したペットの捜索支援を行う団体『Where Is Jack 』に助けを求め、空港内でフェリックスを探しているのだ。また、エティハド航空も空港内にワナを仕掛けたり、スペシャリストの協力の元、捜索を続けているという。しかし2015年4月10日現在、フェリックスはまだ見つかっていない。

・過去にも、JFK空港でネコが失踪している

空港でネコがいなくなったのは、今回が初めてのことではない。2011年にはジャックというネコが、同じく JFK空港で迷子になったのだ。ジャックの家族は Facebook 上にページを立ち上げ、多くの人々の協力を得ながらネコを探すことに。

その結果、2カ月後にジャックは空港内で発見される。しかし、極度の飢えと渇き、怪我などでジャックの容態はすでに手遅れ……安楽死に処せられたのだった。このジャックの悲劇を忘れないためにも、『Where Is Jack』は、空港などで失踪したペットの捜索支援や啓蒙活動を続けているのだ。

今回フェリックスがいなくなったことで、航空会社に対してペットの取り扱い改善を求める声があがっており、エティハト航空も改善を約束している。飼い主側も、大切なペットと離れ離れにならないように、しっかりと気を引き締めたい。世界は危険で満ちているのだから。

参照元:CNNThe National、Twitter @The National UAEFacebookLife With Cats(英語)
執筆:小千谷サチ

▼フェリックスが無事に発見されますように