Breaking Bad kuby

全うで平凡な人生を送ってきた化学教師ウォルター・ホワイトが、人生最後の賭けに出るドラマ『ブレイキング・バッド』。専門知識を活かして高純度スーパードラッグを生み出し、悪の世界で伸し上がる衝撃のストーリーにおいて、コメディ部分を担うキャラクターを今までに何人か紹介してきた。

そんななかでも最強のデコボコ・コンビとも言えるのが、悪徳弁護士ソウル・グッドマンの手下 “Aチーム” として活躍(?)していたヒューエルとカビーだ。そこで今回は、無口でいつも昼寝ばかりしてたヒューエルとは対照的に、お喋りで有能な相棒カビーを演じたビル・バーにスポットライトを当ててみることにした。

・元コメディアンで脚本家としても活躍!

ヒューエル役のラヴェル・クロフォードとソウル役のボブ・オデンカークらと同じく、ビルもコメディ畑出身だ。スタンダップ・コメディアン&俳優として活躍する傍ら、彼は脚本も手掛ける多彩ぶりを発揮している。

演じるだけでなくクリエイターとして作品に関われる俳優は、やはり強いと言えるだろう。脚本家やプロデューサーとして舞台裏でも役割を果たせたら、より作品に深く関われるからだ。

・用がない時でも他の俳優の演技を見て勉強

コメディアンだけに、今までの出演作にもコメディ物が目立つビル。なので、『ブレイキング・バッド』のようなシリアスでヘビーな作品に出演できたことをチャンスだと考え、用がない時でもブライアン・クランストン(ウォルター役)やボブ・オデンカークの出演シーンを見学して、演技の勉強に役立てたそう。

その経験は、10年間演劇学校で学べることよりも貴重な体験だったと語っている。どんなことでも学びの機会に変えられる人は、どんどん成長できる良いお手本ではないだろうか。

・カビー役のモデルはローリングストーンズのセキュリティ!?

今まで演じた役とはひと味違うカビー役を演じるにあたって、ビルが役作りの参考にしたのが元ローリングストーンズのセキュリティだとか。

その男性がセキュリティとして雇われたのは、彼がいかつくて近寄りがたかったからではなく、手荒い真似をすることなくファンをあしらえたからだそうだ。そんな彼の人と成りを参考にしつつ、“すぐに手を出す用心棒ではない、説得型のカビー像” を作り上げたのだ。

・登場人物の性格から滲み出るオリジナルでユニークな笑いがポイント!

どうやら『ブレイキング・バッド』のクリエイター、ヴィンス・ギリガンは、意図的にコメディアンを大挙として出演させていたようだ。ビル以外のお笑い出身俳優は少なくとも5人はいるが、本作にはアメリカのドラマにありがちな、わざとウケを狙ったシチュエーション・コメディ作品とは違う “笑い” がある。

ビルは、「そのユーモアは登場人物の性格から滲み出てくるからこそ、オリジナルでユニークなのではないか」と分析している。

・兄は政治家で意外にお堅い一家出身だった!

コメディ界で成功を手にしたビルだが、彼が育った背景は意外にもお堅い印象なのだ。父親が歯医者だったため、ビルは歯科衛生士として父親が営む歯科医院に勤務したことがあり、兄のロバートは政治家だ。

あのジョン・F・ケネディ元大統領の弟で、マサチューセッツ州選出の上院議員だったテッド・ケネディが亡くなった後、2009年にロバートは同州の上院議員に立候補している。そしてビルは、2年前に黒人女優ニア・レネー・ヒルと結婚したばかりの新婚さんでもある。

コメディ作品でシリアスになるのは困難だが、シリアスな作品でコメディ要素を取り入れるのは比較的簡単だ。よってビルは、同時にタフにも面白くもなれるシリアス系の作品に、これからも出演していきたいと意気込みを語っている。オン&オフスクリーンでの彼の活躍に、これからも期待したいところだ。

参照元:IMDbAMC(英語)
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎

▼カビーがウォルターの元上司で洗車屋のオーナー、ボグダンをゆするシーン

▼ヒューエルとカビーのデコボコ・コンビぶりが笑いを誘うシーン

▼『ブレイキング・バッド』シーズン1の予告編

▼ぬりえもあるぞ!
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