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日本語は美しい。普段何気なく使っている日本語だが、よくよく注意すると、きめ細やかなで繊細な言語であることに気付く。例えば、「かわいい」という意味の日本語だけでも、愛らしい・愛くるしい・愛愛しい……などと様々な表現がある。

できれば正しい日本語を使いたいものだが、言葉は常に進化し続ける。特に現代日本語において、横文字外来語を使わずに会話することは、不可能であると言ってもいい。今回はその外来語を、「どこまで正しく使わなくてはいけないのか?」について話したい。

・「アボガド」と『アボカド』

つい先日のこと。筆者が普段の会話の中で「アボガド」と発したことがあった。すると、その場にいた1人が「アボガドじゃないよ。“アボカド” だよ(笑)」とすかさず訂正してきたではないか……。あれは一体なんのつもりなのか?

広辞苑では、「アボガド」ではなく『アボカド』であることくらい筆者も知っている。だが……待ってほしい。『アボカド』が日本古来の言語で、「“アボカド” こそが正しい日本語である!」と脈々と受け継がれているならばわかるが、100歩譲ってもそうは思えない。

・日本古来の言語ならわかる

例えば、「気の置けない」という言葉がある。「油断ならない」「心を許せない」という意味かと思いきや、実は逆で「気が許せる」「遠慮や気遣いをする必要がない」という意味。この使い方を間違えて注意されるならばわかるが、「アボガド」と『アボカド』の違いはそこまで重要なのだろうか?

また、「煮詰まる」という言葉は、「行き詰まる」という意味ではなく「結論が出る段階が近づいた」というのが本来の意味。「浮足立つ」もウキウキした様子かと思いきや、「不安で落ち着かない様子」が正しい。これらを注意されるならばわかる。だがしかし……!「アボガド」と『アボカド』の違いはそんなに重要なのだろうか?

・外来語の発音問題

200歩譲って、文字に書き起こす場合ならば『アボカド』にすべきだろう。だが今回は発音の問題だ。筆者は英語圏の人の口から直接「アボカド」と聞いたことがないのでわからないが、話の腰を折ってまで「アボガド」を『アボカド』に訂正するくらいだから、『アボカド』が正しいのだろう。

ならば問いたい……。そういう人は普段から、「マクドナルド」を「マッダーナーズ」もしくは「メッダーノウズ」と、本来の発音で使ってるんだよな? と……! 間違えても、「マ・ク・ド・ナ・ル・ド!」とは言ってないだろうな? と……!!

・もし訂正されたら……

筆者なりに結論付けるならば、外来語や横文字の “発音” についてあれこれ言うのは、ナンセンス以外の何物でもない。どこか一点にルールを設けると、他のどこかに必ず歪(ひずみ)が出てくる。「アボガド」も『アボカド』も同じく日本語であり、日本語はそれを受け入れてくれるくらい懐が広い

だから「アボガドじゃないよ。“アボカド” だよ(笑)」と言われたら、魂を込めて「うるせーわ!」の一言でOKだ。おそらく、確固たる信念を持って「アボガドをアボカドに正している人」は1人もいない。ちょっとした知識を披露したいだけである。気にせず「アボガド」と発音しよう。

参照元:YouTube
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼マクドナルドの正しい発音。