1

あなたは NASA が2014年に行った “空飛ぶ円盤” テストを覚えているだろうか? 反射的に「空飛ぶ円盤= UFO」なる図式が思い浮かんでしまうが、あのNASA様だって、空飛ぶ円盤を飛ばそうとしているのだ。しかも、火星に。

2014年6月、火星への “空飛ぶ円盤” である LDSD試作機を公開し、テストを行った NASA 。しかし、そのテストが万事上手くいった訳ではなく、この1年間、計画の再検討・改善を積み重ねてきた。そして今年もまた、 NASA円盤が大空に舞う時期がやって来たのだが、一足先に円盤の回転テストが4月1日午前3時30分(日本時間)に公開されたのである。

・将来火星に行くために

2014年4月に NASA が公開した、“空飛ぶ円盤” 。将来、火星に人や物資を安全に送り込むための「LDSD:Low Density Supersonic Decelerator / 低密度超音速減速機」なのだが、その平べったい円盤の物珍しさ、計画の斬新さから大きな話題となった。

・2014年6月のテストでは、パラシュートが開かず

そして、2カ月後の6月28日には、ハワイのカウアイ島から打ち上げテストが行われることに。重さ約3.2トンの円盤を、観測用気球で上空約37キロまで持ち上げ、切り離し。そこからエンジンが点火し、音速の約4倍のスピードで上昇。火星の大気環境に近い高度56キロあたりで SIAD-R を作動させて減速を開始した。

ところがその後、超音速パラシュートがボロボロに引き裂かれるトラブルが発生し、円盤はそのまま海に落下しテストは終了したのだった。

パラシュートの問題を除けば、テストは成功だったと考える NASA は、このテストから多くのことを学び・改善を行った上で、2015年6月に再びハワイから再打ち上げに挑戦する予定なのである。

・2015年4月1日、回転テストの様子がネット上で公開された

そして、この4月1日に、カリフォルニア州にあるジェット推進研究所で、円盤の回転テストが行われ、その模様が世界に生配信されたのだ。無菌室で回転し続ける “円盤” は、まさにテストの真っ最中だったが、この回転は機体を安定させるためにとても重要なのだとか。

もちろんパラシュートも徹底的に強化され、あらゆる条件下でパラシュートを開くシミュレーションが繰り返されたことも、配信の中で説明された。インタビューに答えたチーフ・エンジニアは、「考えうる中で、もっとも頑丈なパラシュートを選択した」と語っており、また、大気が希薄な火星では、地球で使われるパラシュートよりも、ずっと大きなものでないと安全が確保できないようだ。

円盤の回転テストは順調で、数週間後にはハワイ入りができる状態とのこと。ハワイでのテストは、6月の期間中、気候の適した日を待って行われる予定だ。

早ければ2020年には、火星飛行への本格運用を開始したい NASA。火星探査を大きく後押しするであろうこの円盤が、実際に火星に飛び立つ日がくるのだろうか? まずは2カ月後にハワイで行われるテストの結果を待ちたい。

参照元:NASAMail OnlineRTYouTube(英語)
執筆:小千谷サチ
Image Credit: NASA/JPL-Caltech

▼2014年6月に行われたテスト

▼2015年4月1日に行われた公開テスト