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パクチーがぐいぐい来てる。パクチーとはもちろん、英名をコリアンダー・中国名を香菜・日本名を「カメムシソウ」という、好き嫌いが真っ二つに分かれる “賛否両論野菜・パクチー” のことである(パクチーはタイ語)。

数年前には考えられなかったが、飲食店のメニューにパクチー料理が当たり前のようにあったり、スーパーでパクチーを購入できたり、さらにはパクチー料理専門店が増えていたりと、「パクチニスト」にはたまらない状況……と言いたいところなのだが……。

中には「とりあえずパクチーのっけとけばいいんでしょ?」的な、パクチー愛のない『ビジネスパクチー丸出し』のお店もある……。今回は「黒帯パクチニスト」として、今後のパクチー文化発展のためにも、ある提案をしたい。

・とある店のパクチーフェアでのこと

つい先日のこと。筆者は都内にある東南アジア料理店で、「パクチーフェア」が開催されていると聞きつけ、ワクワクしながらお店に伺った。そのお店は有名飲食店検索サイトで星3.5以上を獲得している有名店で、「これなら間違いない!」と思ったのだ。──結果的には間違いだったのだが。

「パクチーフェア」はレギュラーメニューとは別に、「パクチーをふんだんに使った “パクチーメニュー” が十数種類用意されている」、というものだった。中にはデザートまであり、黒帯パクチニストを自称する筆者としては、是が非でも食べてみたいメニューの数々である。

・やっつけ感丸出し

初めて伺うお店だったが、平日でも女性客メインでほぼ満席。店の造りもアジアンチックで、店員さんの雰囲気も良い。都内の一等地にある割には料理の値段もリーズナブルで、「な、なんで俺はこの店を知らなかったんだ……!」と後悔しつつパクチー料理をオーダーした。だがしかし……!

数種類のパクチーメニューを食べてみて呆気にとられた。どれもこれも美味しくないのだ。決してマズいというわけではない。だが、パクチーの良さが全く生かされていない。例えば「パクチー生春巻き」は中身がほぼパクチーだけである。いや、メニュー名に偽りはないけどさ……。

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・パクチーの良さを理解していない

その他の料理も、「とりあえずパクチーを入れときました感」がプンプンする。これは……ダメだ。筆者は決して美食家ではないが、美味しくないものは美味しくないと感じる。何より、「流行のパクチーで一儲け」と『ビジネスパクチー』臭を感じずにはいられなかった。

パクチーは、基本的には生で食べて美味しい野菜である。パクチー単体で食べても、パクチーの良さは引き出しづらい。あくまで料理そのものが美味しいのが前提で、その料理をより風味豊かにする、「究極の引き立て役」なのだ。──そこで提案がある。

・パクチー単品で販売すべき

下手にパクチーをアレンジして微妙な料理を作るくらいなら、刻んだパクチーのみを単体で売ってほしい。いわゆる「トッピング形式のパクチー」だ。先述したお店も、レギュラーメニューはきっと美味しいのだと思う。軽い気持ちでパクチーに手を出すと、お店の評判にも影響しかねない。

パクチニストにとっては、「トッピングのパクチーあります」だけで十分魅力的である。パクチーと真剣に向き合うならばいいが、「とりあえず流行だから扱ってみよう」というお店は「トッピング形式のパクチー」の採用をオススメしたい。消費者は、『ビジネスパクチー』にご用心だ。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼トッピング形式のパクチーで販売してほしい。
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