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よくテレビ番組などで、似たような2つのものを比べて、どちらがより高級品か当てる企画がある。ワインや枕、バイオリンの音色、盆栽など、様々なものを比べては、自分がどれほど「違いが分かる “一流” 人間」かを証明するのだ。

そして今回、動画『Showing IKEA print to Art experts』では、人々がアートの見る目が試された。「美術館に IKEA の大量生産絵画を紛れ込ませると、果たして人々は気が付くか? またどう評価するか?」という実験が行われたのである。さて、人々は IKEA の絵をどう見たのだろう。

・IKEA の絵を美術館に忍ばせる

舞台はオランダの美術館。数々の価値ある美術品が飾られている中、多くの老若男女がアート観賞を楽しんでいる。そしてそこに1つだけ10ユーロ(約1300円)の絵画を、こっそりと忍ばせるのだ。この絵画は、低価格でオシャレな家具を販売するご存知 IKEA のものである。

・「作者が抱える混沌が……」など立派な意見

「こちらの作品はいかがですか?」と、IKEA の絵を人々に見せて回る仕掛人。「有名なスウェーデン人アーティスト、アイク・アンドリューズ(“IKEA”ndrews)の作品なんですよ」なんて言っている。「どこかで聞いたことある名前だねえ」と言いながら IKEA の絵を観賞する人々は、以下のように感想を述べていくのだった。

「いい作品だわ」
「興味深い。モダンかつ、刺激的ね」
「物事が重なり合ったり、内包し合ったりする構造だね」
「明らかに象徴性を扱った作品だ」
「感傷的な雰囲気だね」
「作者が抱える混沌が描かれている」
「このアーティストが持つ、全ての感情が表現された作品だね。とても美しい精神だ」
「すごいな……」

などなど、誰もが “価値ある作品” の前で発しそうな言葉のオンパレード。仕掛人も「これがアイクの特色ですね。細かいところまで表現するのです」なんて口八丁で見物人たちを煙に巻いている。ノリノリだ。

・「3億円はくだらないだろうね」

また、人々にこの絵の価値を推測してもらうと、「20万ユーロ(約2600万円)」「250万ユーロ(約3億2千万円)」なんて回答が……。うーん、自分でも同じような回答を返してしまいそうで、何だか怖い。もう一度言うが、これ1300円くらいで IKEA で買えるんですよー!

・「これ、実は IKEA の絵なんです」

ということで最後には、仕掛人が「実は IKEA の絵なんです」と真実を告げる。すると、どの人も「しまったー!」「あー、そうかー」といった感じの照れた笑顔を見せるのだった。

きっと多くの人が、自分の判断は、その場の雰囲気や仕掛人の言葉など、様々なことに左右されていると、内心分かっているのではないだろうか。だからこそ、この「しまった!」という笑顔を浮かべたように感じられる。これは、人間の愚かな面、愛すべき面、どちらだろう?

しかし IKEA で大量販売されている絵画だって、その人によって価値は違う。「3億円だ!」とあなたが思うのなら、本当にそれだけの値打ちがあるはずだ。

参照元:YouTubeMashable(英語)
執筆:小千谷サチ

▼私(筆者)はダマされる自信があるぞ!