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「緑化」とは、本来植物が必要なのに、少なくなっている場所に植物を植えるなどして、緑を取り戻す活動のことだ。緑いっぱいの大地は環境のためだけでなく、見ている我々の心も満たしてはくれないだろうか。

さて、先日、中国でも、ある山が緑でいっぱいになったそうだ。……でもなんだか変! 近づいてよーく見てみると、山に立てられたお墓が緑色に塗られているではないか!! そう。お察しのとおり、またまたペンキを使っての「緑化」が行われていたのである。

・自治体が緑化を要求 → 緑色のペンキで塗る

ペンキによる「緑化」が発見されたのは、浙江省の紹興市の「楊望村」だ。上海在住の男性が祖先の墓参りに村を訪れたところ、ビックリ仰天!! なんと山に立つお墓が緑色に塗られ、全体的に「緑化」されていたのである。

一体どういうことなのか。男性がほうぼうに聞いてわかったのは「地方政府が村に墓地がある山の緑化を要求したところ、村がお墓を緑色に塗って “緑化” した」ということだった。

・ “緑” の意味って?

わぁ! たしかに緑色だネ!!……って、4コマ漫画のオチかよ!? 誰もが「 “緑” の意味わかってる?」と、盛大にツッコミたくなる。だが、村の方だって「緑化」の “緑” が植物を指すことくらいは、ちゃんとわかっていたという。

・ペンキで塗った理由「現実問題、植樹できないから」

実は、政府の要求はこうだった。この地区では墓が丸出しだったところ、景観の問題から「移転するか、深く埋めるか、緑化して墓を見えなくするように」という指示があったそうだ。だが、移転や埋めなおしは大変。住民が賛成しそうもない。

では、残る方法は緑化。しかし、この土地は植樹には適さない土壌だったという。政府が村に与えた期限は3~4カ月程度。植樹なんかしてたら絶対に間に合わない。どうする? 村で議論した結果、緑色のペンキで墓を塗って「緑化」するという方法をとったのである!

・地方政府にバレた結果……「緑化とは言えない」

墓を緑に塗ることについて、村民の了承はとっていたそうだ。でもそれで済んだのは村の中だけ。だが、この「緑化」がメディアに取り上げられると大騒ぎに! ネットユーザーからは「自分で自分を騙しているだけだね」「これはアカン」などと意見が寄せられている。

さらに、地方政府側も「これは緑化とは言えない」と一蹴。さらに視察した際、査定で「減点している」と厳しいコメントをしているそうだ。

減点……!! 村は一体どうなるのだろうか? なお、メディアに報じられて以降、村では狭い土地でも育ちやすい木を植え始めたとのことである。

参照元:南都網新華網(中国語)、Youku
執筆:沢井メグ

▼現地のニュース動画(中国動画サイト)

▼見られない方はこちらをどうぞ1

▼遠くから見ると「木が生えた山」っぽいが、実はお墓を緑に塗っただけだという
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