「点取占い」をご存知だろうか。点取占いは駄菓子屋などで販売されているもので、占いと言いながら不思議な文章が書かれているアイテムだ。

そんな点取占いを、日本語の作文の授業と称して中国人日本語学習者に作ってもらった。

・日本語学習者にとっての作文の授業

私は中国の日本語学校や大学、企業などで日本語を教えていた。基本的に会話の授業を担当していたのだが、日本語の能力を測定する「日本語能力試験」などの試験前は作文の授業も行っていた。

外国語を文章にすることは難しく、試験勉強も単調になりがちである。そんな勉強時間を少しでも楽しく感じてもらうために、さまざまな授業を行ってきた。その一つが点取占いだった。

授業の内容は「学習者に点取占いを与えて意味を理解させ、同じような文章を作成させる」というものだ。点取占いの実物をプレゼントするのがポイントだ。

・どうして点取占いが中国にあるのか

点取占いは日本の駄菓子屋などで購入できるものである。中国には売っていない。わざわざ授業のために取り寄せたり日本から持ち込んだというわけではなく、実家から必要な荷物を中国に送ってもらったら大量に入っていただけのことだ。

「日本語で書かれているものは全て日本語の教科書にできる」。これが私のポリシーだったので、点取占いも教科書にしてみようと思い立ったのである。

・つまらない作文の授業も面白くなった

悪いことは点が低く、いいことになると点が高くなると簡単に説明をして作成してもらったところ、普段の作文の授業より熱心に取り組む学習者たちが続出した。これだけでも点取占いを用いた甲斐があった。

初級の授業だったので点取占い特有のシュールな文章は作成できなかったのだが、なかなかの傑作が出来たと思う。楽しく作文の授業ができるので、世界中で活躍されている日本語教師の方々にもお薦めしたい。

執筆:ポンコツ
Photo:RocketNews24.

▼実際に作ってもらった点取占いの一部