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近年では日本人サッカー選手が、海外でプレーすることはめずらしくなくなった。ドイツをはじめ、イタリア、イングランドなどの主要リーグで活躍。さらには欧州最高峰の舞台・チャンピオンズリーグも夢ではなく、現実となっている。

そんな中、信念を貫き、欧州へと活躍の場を求めた一人の日本人選手がいる。彼の名前は丸山龍也(まるやま りゅうや)。現在、所属クラブなしの彼は、一体何者なのか。待ち受けていた過酷な体験と合わせてお伝えしたい。

・丸山選手とは

まずは簡単に彼のことを紹介しよう。2014年末までスリランカでプロとしてプレーしていたが、まったく無名の22歳。それもそのはず、日本でのプロ経験がなければ、強豪高校に所属していた訳ではないからだ。

しかし、夢は大きく……自身の夢である日本代表に向け、最短ルートである欧州に挑戦を決断した。今はチャンピオンズリーグに出るか、日本代表に招集された時を除いて、日本に帰国するつもりはないと語るほど、固い決意を持っている。

・裸一貫で欧州挑戦

ここまで聞くと、無謀な挑戦だということは明らかだ。しかし、やってみないことにはわからないのもこの世界。どこにチャンスが転がっているかは誰もわからず、行動をしないと何も始まらない。

・親切な男性と知り合う

そして彼は、本当にヨーロッパへ足を踏み入れることになるのだが、待っていたのは思わぬ形での挫折だった。さまざまなツテを頼り、契約してくれるクラブを探す日々。その中で、セルビアの地で知り合ったのがダルコという男性であった。

ツアーコンダクターのダルコは、どうやらサッカー関係者に精通しているようで、身を粉にして丸山選手のために動いてくれていた。その甲斐もあってか、丸山選手はテストを受けることができ、スロバキア2部のクラブと契約が叶うかというところまでくる。

・詐欺師だった

……だがしかし。事態は思わぬ形で急展開する。なんとダルコは、セルビア警察のブラックリストに載るほどの詐欺師であったのだ。結果、丸山選手は多額のお金を奪われ、その日暮らしをすることになってしまった。

丸山選手のブログ(2月28日付)では、この体験が鮮明に書かれているのだが、膨大な量の文章であるため、ここですべてをお伝えすることはできない。しかし、言葉にならないほどの壮絶さである。

・今も状況はめまぐるしく変化

ちなみに直近のブログでは詐欺師・ダルコを発見。セルビアの警察を交えた体験も綴っている。人生は山あり谷ありとは、よく聞く言葉だが、彼ほどジェットコースターのようにめまぐるしく状況が変化しているサッカー選手もいないだろう。

現在、丸山選手は欧州クラブのテストを受け、契約を目指している。異国の地で自らの夢に向かって突き進む日本人選手がいることを知るためにも、ぜひ一度彼のブログを読んで欲しい。

参照元:丸山龍也オフィシャルブログ、Twitter @maru_ryuya
執筆:原田たかし