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医療技術が大きく進歩したおかげで、妊娠・出産にかかわる選択肢も年々広がってきている。そんななか、遺伝子疾患予防のために、新たな体外受精の技術導入を認める法案が成立した。遺伝子に欠陥を持つ母親と健康なドナー女性の卵子核を交換する予防治療により、生まれてくる赤ちゃんは遺伝的に3人の親を持つことになるのだ。

・もうじき3人の親を持つ赤ちゃんが誕生する!?

2015年2月3日、遺伝性疾患の予防を目的とした卵子核移植の導入を認める法案が、英国の下院にて賛成多数で承認された。そして2月24日、上院で254票の賛成票を得て法案が成立し、世界で初めて “遺伝的に3人の親を持つ赤ちゃん” が誕生することとなった。

・事前にミトコンドリア病を防ぐのが目的

赤ちゃんは、父親と母親から遺伝子を受け継いで誕生するわけだが、細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアの遺伝子は、母親からしか子供へ受け継がれない。

このミトコンドリアに異常をきたすのが “ミトコンドリア病” と呼ばれる疾患で、 筋肉硬化や臓器の機能低下を引き起こす難病だ。そこで、生まれてくる子供のミトコンドリア病を事前に防ぐのが、卵子核移植による体外受精となる。

・健康な卵子核に入れ替える治療法

細胞内のミトコンドリアに異常が認められた母親の卵子から核だけを取り出し、健康なドナー女性の卵子核と交換する。こうして生まれてくる子供は、卵子核を提供した女性の遺伝子を受け継ぎ、ミトコンドリア病を回避することができるのだ。

・2016年秋頃に3人の親を持つ赤ちゃんが誕生か!?

英国内で、治療対象となる夫婦は年間150組ほどになると予想されており、早ければ2015年10月から卵子核移植が実施されるとのこと。よって、遺伝的に3人の親を持つ赤ちゃんが、2016年の秋頃に誕生する可能性がありそうだ。

画期的な難病予防方法ではあるが、法案が成立するまでには、倫理や宗教的な観点から反対する人も多数いたとのこと。このまま進めば、優良な遺伝子のみを選出して作る “デザイナーベイビー” を生み出しかねないと、懸念する声も上がっているようだ。

参照元:MashableBBCthe guardian(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.