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あなたは「パピーミル」という言葉を、ご存知だろうか? ペットショップに子犬たちを “供給” し続けるために、劣悪な環境で子犬たちを “製造” する場所である。命なのに、「供給」、「製造」という言葉が使われて、あなたは憤るかもしれない。しかし、その言葉がピッタリきてしまうほど、動物たちの置かれた状況は酷いのだ。

ということで今回は、その酷さを間接的に知ることができる動画を紹介したい。12年間パピーミルに閉じ込められていたワンコが、初めて大地に降り立った場面が収められているのだが、「え? なに、この感触!?」と戸惑いを見せるワンコに、ネットでは涙が止まらない人続出なのである。

・初めての大地

たった21秒間、ピンク色の服を着せられた1匹の白ワンコが、こちらに向かって歩いてくる動画『Puppy Mill Dog – Walks On Grass For The First Time』だが、その衝撃を甘く見てはいけない。実はこのワンコ、12年間ずーっとパピーミルの檻の中で過ごしてきたのだ。

つまり、これが初めて大地を踏みしめた瞬間なのである。芝生の感触に驚いているのだろうか? それとも、カゴの中ではない、ドッシリとした大地にビックリしているのだろうか? 足元はおぼつかず、表情も不安そうだ。それでも声のする方に、少しずつ歩いていく。

・ネットユーザー「心が痛い」

この姿を見て、涙が止まらないネットユーザーが続出。「心が痛い」、「今この瞬間、どれくらいの動物が苦しんでいるんだろう……」、「パピーミルなんて、なくなればいいのに」などのコメントが寄せられた。

・今では幸せな暮らしているワンコ

リジ―という名のこのワンコは、米動物愛護団体「National Mill Dog Rescue(以下、NMDR)」に助けられた。不潔な環境から体中に腫瘍ができており、感染症によって左目がただれていたリジー。残念ながら左目は摘出しなければならなかったが、今では新しい家族の元で幸せに暮らしているという。よかった!

これまでに9800頭以上の犬たちを、パピーミルから救出してきたNMDRだが、これからも継続して動物たちを救っていくというので心強い。

この動画は2013年に公開されたものだが、今でも、そして日本にもパピーミルは存在している。ペットを家族に迎えたいと思ったとき、保健所や動物愛護団体などから引き取る人が増えれば、リジーのようなワンコは減っていくはずなのだ。

参照元:YouTubeExaminer.comNational Mill Dog RescueFacebook(英語)Say No プロジェクト
執筆:小千谷サチ

▼「この感触なに!?」と戸惑うリジー