Breaking Bad Marco Salamanca2

“血は水よりも濃い” とはよく言ったもので、血と血の結びつきは決してあなどれない。個性的かつ過激なキャラクターがオンパレードで登場する衝撃作『ブレイキング・バッド』のなかでも、特に異彩を放っていたのがサラマンカ家の人々である。

以前、ベル鳴らしのおじいちゃんことヘクターと、彼の甥で「エイッ!! トゥァー! タイッ! タイッ! Yeah!!」と叫んでヤクをキメるトゥコを紹介した。この二人だけでもお腹イッパイになりそうだが、これで終わらないのがサラマンカ・ファミリーの凄いところである。

そこで今回は、トゥコのいとこに当たる無気味な殺し屋ブラザーズ、マルコ&レオネル兄弟を演じたルイス&ダニエル・モンカダの素顔に迫ってみることにした。

・実際に兄弟のルイスとダニエル

マルコ&レオネルの殺し屋ブラザーズが初めてシリーズに登場した時、筆者は「ヒスパニック系のターミネーター」としか形容できないと思った。シャークスキンのスーツに、先が尖ったカウボーイブーツの先には銀製のドクロを装着、ターミネーターのごとく無口で動きもなんだかロボちっくなうえ、殺しの指令は完璧に遂行。

現代アメリカ南西部によみがえった、ターミネーターのような残忍な双子の兄弟マルコ&レオネル・サラマンカ。彼らを演じたルイス&ダニエルは実際に血の繋がった兄弟で、南米ホンジュラス出身だ。双子ではないが、見た目はソックリである。

・兄弟がゆえに役をゲット!!

そして、二人は兄弟がゆえに『ブレイキング・バッド』への出演が決定したという経緯がある。元々俳優だったルイスが、本作のオーディションを受けに行った時のこと。ソックリな兄弟がいることをキャスティングスタッフに伝えたところ、連れてくるように言われたルイス。

その翌日、演技経験がまったくなかったダニエルを引っ張って行き、兄弟揃ってオーディションに挑んだ二人は見事に合格して役をゲット!!

・順調に俳優のキャリアを積みつつあるダニエル

こうして、いきなり俳優デビューを飾ったダニエルは、撮影初日はメチャクチャ緊張したそう。だが、そんな彼も順調に俳優としてのキャリアをスタートさせ、人気テレビシリーズ多数にゲスト出演している。

・まぶたにタトゥーを彫る時、スプーンを入れたのが痛かった!

兄弟揃って全身タトゥーだらけの二人だが、ルイスはまぶたにまで “F U(Fuck Youの略)” と彫っているのだ。本作ではメイクでまぶたのタトゥーを隠していたが、主役ウォルターを演じたブライアン・クランストンに「まぶたに墨を入れるのは痛かった?」と訊ねられたのだとか。

実際のところタトゥーを彫るよりも、針が目玉に刺さらないように、まぶたの下にスプーンを入れる方が痛かったと答えたそうだ。

・ボクシングとムエタイでトレーニング

ボクシングとムエタイで鍛え抜いたルイスとダニエルは、ガタイが良くて見るからにマッチョ! 容姿がソックリなだけでなく趣味や仕事まで同じとは、周りに双子と言っても通じそうである。

本シリーズでは、ウォルターが精製するドラッグ “ブルー・メス” の青に精製時に着る黄色のジャンプスーツといい、色が効果的に使われていることは以前にも述べた。

本作で撮影監督を務めたマイケル・スロヴィスは、殺人ブラザーズが登場する外でのシーンは、濃い黄褐色のトーンで撮影することにしたと語っている。実際の物の色だけでなく、ビデオの色補正で隠し味を効かすとは、まさに職人技である。

参照元:IMDb[1][2]Breaking Bad WikiAMC(英語)
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎

▼殺人ブラザーズのマルコ&レオネルが登場するシーン

▼ハンクがマルコを射殺する手に汗握るシーンはこちら

▼『ブレイキング・バッド』シーズン1の予告編

▼ぬりえもあるぞ
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