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クジラは、特定の周波数を使った鳴き声を出して仲間とコミュニケーションを取ることで知られ、なかには数百キロメートル先まで届く声もある。

だが一方で、仲間と完全にズレた周波数を発してしまい、どのクジラともコミュニケートを取れないまま、孤独に海を泳いでいるクジラが存在しているというのだ。そこで、そんな独りぼっちのクジラを見つけ出すべく、大掛かりなプロジェクトが動き出しているので紹介したい。

・20年以上独りぼっちで歌い続ける「世界一孤独なクジラ」

1992年、アメリカ海軍と科学者チームが、周波数52ヘルツのクジラの声を探知した。それ以来、20年以上も独りぼっちで歌い続ける世界一孤独なクジラは、52ヘルツの周波数を発しているため「52」と名付けられている。

おそらくハクジラかシロナガスクジラ、もしくは両方の交配種だと思われる「52」は、他のクジラとは違う周波数を発しているため、仲間から応答を得られないのである。クジラは通常、17~18ヘルツの周波数で仲間と連絡を取っているからだ。

しかし、名前は付けられているものの、誰も「52」の姿を見たことがない。 ”クジラの歌” が聞こえることによってのみ、この孤独なクジラが確かに存在していると知ることができるのだ。

・KICKSTARTERで資金調達がスタート!

そこで、そんなロンリーなクジラを見つけ出す探査プロジェクトを始動させるため、クラウドファンディングサービス “KICKSTARTER” で、資金調達がスタートした。

プロジェクトを率いているのは、映画製作者のジョッシュ・ゼーマン氏と人気俳優エイドリアン・グレニアーだ。カリフォルニア州沿岸から、太平洋を約640キロの旅。この20日間におよぶ探査のために、必要な費用は30万ドル(約3500万円)。2015年3月12日に資金集めのキャンペーンは締め切られるが、今のところ約7万ドル(約830万円)を集金している。

・「52」に認識タグを取り付けるのが目的

もし「52」を発見できた場合は、音声探知装置付きの認識タグを取り付け、人工的に増加する海の騒音が、クジラや海洋生物に与える影響を調査するためのデータも収集するとのこと。またゼーマン氏は、探査の様子をドキュメンタリー映画としてまとめ、2015年秋頃にリリースする意向も示している。

本当は仲間と一緒にいたいのに、ズレた周波数で歌い続けているとしたら何だか悲哀を感じるが、もしかしたら「52」は孤独を好んでいるのかもしれない。誰に邪魔されるでもなく、悠々と大海原を泳いで楽しんでいるとすれば、ソっとしておきたい気もしてしまう。

参照元:Mail OnlineKICKSTARTERSlate(英語)
執筆:Nekolas

▼KICKSTARTERで紹介されている「孤独なクジラ」の動画