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東京には、おいしいチャーハンを提供しているお店が数多く存在する。正直、私(佐藤)はチャーハンにそこまで強い興味を抱いていないので、チャーハン専門店に魅力を感じていなかった。

だが、本当においしいお店は、無関心を装う私でさえも、チャーハンの虜にする勢いがあることがわかった。その事実を教えてくれたのが、東京・渋谷の「かにチャーハンの店」である。お店の存在は随分前から知っていたのだが、最近初めて利用して、今までの無関心を後悔した。なぜもっと早く、ここのチャーハンを食わなかったのか、と……。

・スパゲティからチャーハン

私の記憶がたしかなら、現在お店のある場所のあたりに、スパゲティ専門店の「パンチョ」があったはずだ。パンチョがなくなった後に、かにチャーハンの専門店が誕生し、スパゲティからチャーハンへと専門店が引き継がれたような印象を受けた。

・本当にウマいのか?

先にも述べたように、私はチャーハンにそれほど関心を抱いていない。だからお店がオープンして随分時間が経過したというのに、一度もお店の敷居をまたいだことがなかったのである。もう少し正確に言うと、専門店という割に、おいしいと思う店に出会ったことがないため、期待できなかったのだ。

・米粒の舞に期待

その気持ちは入店してもなお続いており、カウンターに着座しても、揺らぐことがなかったのである。ところが、カウンターの向こうに見える料理人が中華なべを煽る姿に、もしや! という期待が膨らんだ。中華なべから高く舞い上がる米粒が、滑らかな曲線を描きながら、踊っているように見えたのである。これはもしかしたら!

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・かにチャーハンの店なのに違うものがある

お店には8種のメニューが用意されている。かにチャーハン・かに玉チャーハン・かにかにチャーハン・かに肉とろ玉ピリ辛チャーハン、かにチャーハンだけで4種もあって、どれにして良いのかわからない。

このほかに、エビ中華マヨチャーハンや豚唐揚げカレーチャーハンなど、「かにチャーハンの店」と言ってるのに、かにじゃないものまであった。散々迷った挙句、私はかに感を存分に堪能したい思いで、かにかにチャーハンを注文することに。

・パラパラを超えてサラサラ

昼時には続々と客が来店し、アッと言う間に満席になる勢い。かにチャーハンだけでこれだけの繁盛店になるということは、実力はたしかに違いない。

実際に一口食べてみると、たったスプーン一杯でその実力が理解できた。米粒一つひとつがしっかりと油膜をまとっており、パラパラである。器を見ると、米に水分が帯びていないため、少しもこびりついていないのだ。パラパラを通り越して、サラサラと言って良い感触である。

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・いくらでも食えそうな気分

かにの香味と旨味がしっかりとご飯に浸みており、噛むほどにおいしさが深まっていくようである。食べていて不思議な感覚に陥ったのだが、いくらでも食えそうな気がする。昼食として食べているのに、なぜかおやつのようにドンドン食えそうな気がしてきたのだ。食感が軽やかであるために、そのように錯覚したのだろうか。とにかく、いくらでも食えそうな気がした。

もしもチャーハンにそこまで強い思い入れのない人は、一度ここのチャーハンを食べてみるといい。チャーハンに対する考えが変わるかもしれないぞ。

・今回訪問した店舗の情報

店名:かにチャーハンの店
住所:東京都渋谷区宇田川町31-4 篠田ビル3F
営業時間:11:30~15:30、17:00~22:00
定休日:毎月第一月曜日(祝日の場合は翌日)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24

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▼かにチャーハンの店だけど、肉汁餃子も美味
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