2

みなさんはNHKの番組がお好きだろうか? なんだか “真面目でお堅い” なんてイメージがつきまといがちだが、実はシュールで面白いTV局でもあるのだ。そんなNHKが真の底力を発するのが……深夜2時〜5時くらいのド深夜! 

「夜中にどんな番組がやってたっけ……? 思い出せない……」という人がいても、全く不思議ではない。なぜなら、特に重要な番組はやっていないからだ。それでも、この時間帯のNHKには素敵な番組がいっぱい! ということで、今回は独断と偏見でNHKの素敵な深夜番組21選をご紹介したい。なお、ほとんどの番組が不定期なので要注意だ。

その1:インターミッション

NHK総合で午前4時13分〜15分にやっている、子イヌや子ネコがたわむれる映像や、山や滝、落ち葉などの環境映像が流される2分だけのエアポケット的な番組。その優しげな音楽と映像の美しさに心が落ち着く “宵っ張りさん” や “早起きさん” も多いようだ。私(筆者)も、定期的にこの番組を見ないと、気分が荒む。

その2:日本夜景めぐり

北海道から東京や神戸、中国、九州まで、日本各地の夜景を空撮した30分ほどの番組。静かな音楽がただ流れるだけで、ナレーションも何もナシ。「夜景ってこんなにキレイだったんだ」と、空から飛んでいるような気分で楽しめる。部屋を暗くすると、より一層盛り上がる。

その3:グランド・グルメ ヨーロッパ食材紀行

ヨーロッパ各地の郷土料理と、その料理方法を紹介する番組。一般家庭の台所での、ヨーロッパのお母さんたちの手際よい包丁さばきなんかを目の当たりにすることができ、異邦人としておウチに招かれたような気持ちになる。また、その美味しそうな料理には、夜中でもお腹が鳴ってしまう。最後にはレシピも紹介してくれる。

その4:『地球でイチバン』 特選映像

地球上の様々な「イチバンの地」を訪ねる紀行ドキュメンタリー 『地球イチバン』。その特選映像が、早朝5時から放送されていることがあるのをご存知だろうか? ナレーションも無く、美しい景色と音楽だけの贅沢な番組だ。

その5:京都 音めぐり

京都の生活の中で生み出される「音」を、京都の映像と共に紹介する番組。夜のヒッソリとした時間に、京都の人々が営む生活の音を聞くのは心地よい。

その6:あの人に会いたい

NHKが誇る膨大な映像資料の中から、今は亡き人々を映像と共に振り返る10分番組。中島らも、三島由紀夫、不二子・F・不二雄、岡本太郎、小野田寛郎、河島英五などなどなど……そうそうたる人物の姿とその至言が、心に染み渡る。

その7:小さな旅

NHK総合で毎週土曜日午前5時15分~40分(再放送)に放送されている番組。1983年に始まった紀行番組で、日本各地に暮らす人々の生活を映す。テーマ曲が有名。

その8:日本の話芸

NHK総合、毎週土曜日午前4時30分~5時(再放送)に放送される落語・講談番組。オープニングとエンディングに流れるパステル色の絵は、『笑点』でもおなじみの落語家の林家木久扇さんによるもの。明け方に見る落語・講談は、とても温かい雰囲気。

その9:BS洋楽グラフィティー

60年代~90年代に流行した洋楽ビデオクリップ集。なんとなく聴いたことのある「懐メロ」が多いので作業BGMにぴったり!

その10:東京スカイツリー フォトメッセージ

視聴者から寄せられた「スカイツリーの写真」が音楽と共に、だだ流される番組。思い思いに撮影されたスカイツリーの写真はキレイで、撮影者のペンネームやタイトルを読むのも面白く、気付けばボンヤリ見てしまう……。

その11:さわやかウインドー・ハイビジョンウインドー

日本各地の風景を音楽と共に流す、これぞ「ザ・環境番組」的な王道番組。なかでもハイビジョンウインドー「樹海」編は良い。“樹海” という言葉の持つおどろおどろしさに反して、森に暮らす鳥・小動物や植物がサワヤカなのだ。

その12:旅のアルバム 世界の工芸品

世界各地の伝統的な工芸品が、いかに作られるかを紹介する番組。職人が仕事する姿を見るのが好きな人には、うってつけ。

その13:星空のロマン

毎回1つ1つの星座について、丁寧に教えてくれる10分間のミニ番組。プラネタリウムの椅子にゆったり腰を下ろして上を見上げているような、贅沢な時間が流れる……。江原正士さんのナレーションも最高。

その14:名曲アルバム

30年続く人気番組。「世界の名曲を、作品ゆかりの地の美しい映像と共にお送りする番組」とのことで、誰でも一度は目にしたことがあるかと思う。2011年にはデアゴスティーニから『隔週 NHK名曲アルバムCDコレクション』が創刊されている。

その15:音楽都市散歩

「クラシックの調べに乗せて、作曲家にゆかりの深いヨーロッパの都市を巡る」番組。名曲アルバムよりも長く、尺は30分間。“散歩” とタイトルについているように実際に街を歩いているような映像が流れる。

その16:MUSIC BOX

音楽と映像のみで構成された『MUSIC BOX』。最近ではあまりお目にかかれないが、今でも語り継がれる伝説の番組だ。「洋楽編」「映画音楽編」などのカテゴリーがある中、「邦楽編」が最も有名なよう。脈絡のない映像と音楽が流れるところが、なんとなくカラオケっぽい雰囲気。

その17:漢詩紀行

あの江守徹さんが、力強い声で李白、杜甫などの、日本人にもなじみ深い漢詩を読み上げる。その漢詩のゆかりの地の映像も美しく、夜明けに聞く江守徹さんの説得力のある声が腹にズシンとくる。今ではあまり放送されていない模様。

その18:BSニュース

BS1で、毎時間50分から放送される10分間のニュース番組。生放送なので、「この時間でもまだ人が起きている」という “自分は一人ではない感” を感じることができる。また、最後に流れる夜景も素敵。

その19:みんなのうた

ご存知『みんなのうた』。明け方にやっていることがあるのだが、「へえ~ こんな人が歌ってるんだ」とその歌手の豪華さに驚いたりする一方で、子供のころに聴いていた曲が流れたときのカタルシスは筆舌に尽くしがたい。

その20:台風情報

日本列島に台風がやってきたときだけ、放送される『台風情報』。静かな音楽を背景に映し出される天気図を見つめながら、「明日、仕事に行けるかな」、「あの地域の人たちは大丈夫かな」などとボンヤリ考えていると、なんだか子供のころに戻ったような心細さだ。

その21:山川草木

「山や川、草や木など、人間に対しての自然を総称したもの」を表す『山川草木』(さんせんそうもく)。世界各国の美しい自然の風景が流される10分間の番組だが、タイトルの文字から音楽、景色など、全てが吸い込まれるほどの美しさを放つ。ちなみにテーマ曲は石川泰さんによって作曲されたもの。

参考リンク:コトバンクデアゴスティーニ・ジャパン
Report:小千谷サチ
Photo:RocketNews24.

▼『インターミッション』 自然風景はなく、イヌやネコの動画のみとなっている

▼『あの人に会いたい』

▼『小さな旅』

▼『旅のアルバム 世界の工芸品』