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9カ月も自分のお腹にいた赤ちゃんをこの世に送り出し、初めて対面する時の母親の喜びは何ものにも代え難いに違いない。しかし、目が不自由なばかりに我が子の顔が見ることができなければ、どんな母親でも何とかしたいと思うのではないだろうか?

そんな、“どうしても生まれてくる我が子を見たい!” という目が不自由な女性が、特殊な視覚補助眼鏡をかけて赤ちゃんと対面する動画が感動を呼んでいる。その感動シーンは、動画「Blind Woman Sees Her Son for the Very First Time」で御覧頂けるので、ぜひチェックしてみてほしい。

・どうしても生まれてくる我が子を見たい!!

幼い頃、遺伝子に起因する黄班変性症「シュタルガルト病」を患い、視力のほとんどを失ったカナダ人女性キャシー・ベイツさんは、生まれてくる息子の顔をどうしても見たいと懇願していた。そこで、同じく目が不自由な姉イヴォンヌさんが、低視力でも物が見える視覚補助眼鏡を開発した eSight 社に協力を求めたのである。

・“妹に同じ思いを経験させたくない!” という姉の思い

イヴォンヌさんは赤ちゃんの顔を見ることなく出産し、子供達が2カ月と6歳になった時に、初めて我が子を見ることができたのだ。しかし、生まれたばかりの我が子を見るチャンスには恵まれなかったため、妹に同じ思いを経験させたくなかったという。なんとも妹思いの姉の心遣いに、心を打たれてしまう。

・eSight の仕組み

こうして eSight 社はイヴォンヌさんの要望に応じ、1万5000ドル(約180万円)相当のヘッドセット式の眼鏡を、キャシーさんに貸してくれることになったのだ。

それでは簡単に、eSight について説明しよう。まず、視覚補助眼鏡に内蔵したカメラで撮影された映像が、コントローラーへ送られる。次に、低視覚者が見やすいようにアルゴリズムによって処理された映像シグナルが、ヘッドセットへ戻されLEDスクリーンに映し出される。その映像を、ユーザーがリアルタイムで見るという仕組みだ。

・初めて見る赤ちゃんは我が子

ついに、キャシーさんが視覚補助眼鏡をかけて赤ちゃんを初めて見た時の動画に、とにかく心を動かされる。生まれたばかりの息子を胸に抱き、まじまじと顔を覗き込んだ彼女が、最初に漏らした言葉は「オー・マイ・ゴッド……!!」だった。

そして、「なんて足の指が長いの! 私の唇を受け継いでいるって思う。すごく私と夫に似ているわね。初めて見る赤ちゃんが、自分の子供だなんて感無量だわ。我が子を見つめる夫を見れたのも嬉しいし、もう息子に夢中よ」と語り、感激で胸が一杯の様子。

自分が産んだ我が子が生まれて初めて見る赤ちゃんだとは、言葉では言い表せられないほどの感動だったに違いない。イヴォンヌさんは、一人でも多くの低視覚者が高額な eSight を使えるようにと、ウェブサイト「Make Blindness History」を立ち上げ寄付活動を行っている。

参照元:YouTubePeopleeSight(英語)
執筆:Nekolas

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